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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩7
分娩2時間後に急激な腹痛を訴えた不全子宮破裂の一例


矢野 亮, 鎌田 美保, 宇賀神 奈月, 川瀬 史愛
船橋二和病院産婦人科


【緒言】瘢痕子宮によらない子宮破裂は極めて稀で,先進国では0.006%(VBACでは約1%)とされている.今回帝王切開術既往のない不全子宮破裂を経験したので報告する.【症例】37歳0回経妊.自然妊娠成立し,当院にて妊婦健診管理.妊娠経過に異常なし.妊娠39週3日前期破水を認め入院管理となる.39週4日陣痛発来せずPGF2αにより誘発開始.誘発開始より11時間後,クリステレル法1回により児娩出.女児2815g,Apgar Score 1分値8点,5分値9点,UApH7.107であった.出血量400ml.子宮収縮は良好であった.分娩2時間後出血量240ml,子宮収縮不良にて麦角剤を内服.その直後,体動時に急激な腹痛が出現.経腹,経腟エコーでは血腫等の異常所見を認めなかった.血液検査ではHb9.9mg/dlであり鎮痛剤投与後腹痛の改善が得られたため経過観察とした.血圧104/75mmHg,心拍数146/分(shock index1.40)と頻脈を呈していた.腹痛消失後も間欠的に100-300mlの出血を認めたが減少傾向であった.麦角剤内服より4時間後,再び腹痛が出現し1573mlの大量出血を認めた.Hb5.1mg/dlと急激に低下しており,子宮破裂を疑い腹部MRIを実施したところ子宮頸部周囲に血腫像を認めた.輸血,抗DIC治療を行いながら緊急開腹手術を施行.子宮前壁の不全破裂と判明した.術後大きな合併症無く術後8日目に退院となった.【結論】子宮手術既往がなく分娩後無症状で数時間経過した場合でも,腹痛,出血を呈する際は子宮破裂が起こりうることを念頭に置き原因を追及する必要がある.またshock indexに留意し,輸血や開腹術のタイミングを逸しないことが重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 340-340, 2010


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