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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩7
子宮動脈塞栓術により救命しえた子宮摘出困難な分娩時大量出血の2例


安達 将隆, 山田 満稔, 峰岸 一宏, 浅田 弘法, 田中 守, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学医学部産婦人科


【緒言】妊産婦死亡原因の1/3を占める分娩時の大量出血例では,その診断と治療は極めて重要であり,子宮全摘を余儀なくされることも多い.その一方で,腹腔内癒着や子宮筋腫・子宮腺筋症の合併,播種性血管内凝固等の合併により,手術の完遂が困難,不可能な症例も少なくない.今回我々は,帝王切開時に大量出血を来し,子宮摘出困難のため子宮動脈塞栓術(UAE)により出血制御しえた2症例を経験したので報告する.【症例1】44歳,未経妊未経産.子宮内膜症性嚢胞・子宮筋腫合併.体外受精にて妊娠成立し.23週に超音波検査で全前置胎盤と診断.37週2日帝王切開術を施行した.術中出血量は2280ml.閉創後,弛緩出血によりショック状態となった.内膜症性癒着によるダグラス窩閉鎖のため子宮摘出は困難と考えUAEを施行,出血量は減少した.【症例2】42歳,4経妊2経産.子宮筋腫核出術,帝王切開術の既往あり.子宮頸部筋腫・子宮腺筋症合併.超音波検査で胎盤は前壁の腺筋症部位に接して付着,MRIにて癒着胎盤が疑われた.38週2日帝王切開術を施行.子宮収縮不良に加えて胎盤剥離面の出血が持続した.術中出血量は8000ml.頸部筋腫や腺筋症,強固な腹腔内癒着のため子宮摘出は困難と考えUAEを施行,出血量は減少した.【結語】子宮摘出困難な分娩時大量出血における緊急UAE施行が,出血制御に有用であった2例を経験した.今回UAE導入が母体救命戦略の一助となることが示されたが,UAE後の重篤な感染や異所性塞栓,卵巣機能不全などの合併症があること,UAEでの止血困難例があることから,今後UAE後の血流評価や塞栓物質の選択について,さらなる検討が必要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 341-341, 2010


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