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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
子宮体がん
子宮腺筋症より発生したと考えられる子宮体部明細胞腺癌の一例


山岸 由紀子, 樋口 正太郎, 橘 涼太, 鈴木 昭久, 鹿島 大靖, 宮本 強, 堀内 晶子, 塩沢 丹里
信州大学産婦人科


近年,卵巣子宮内膜症から卵巣癌が発生することが注目されているが,卵巣外病変の悪性化の報告は少ない.子宮腺筋症由来と考えられる子宮体癌では高分化型類内膜腺癌が多いとされているが,筋層内に発生する病変であるため早期発見が難しいと考えられる.今回,子宮筋層内に子宮腺筋症と近接して腫瘤を形成し,子宮腺筋症から発生したと考えられる子宮体部明細胞腺癌の一例を経験したので報告する.症例は41歳,未経妊で,38歳から関節リウマチのためインフリキシマブ(抗TNF-α剤)を内服していた.2009年8月不正性器出血を主訴に近医を受診し,子宮腫大を指摘されたため2009年9月当科紹介となった.初診時,子宮右背側に手拳大の充実性腫瘤を認め,腫瘍マーカーはCA125 117.1(0-35)U/ml,CA19-9 50.9(0-37)U/mlと高値であった.MRI上,右卵管角部筋層内から右付属器領域に進展する充実性腫瘤が直腸に浸潤している所見を認め,右卵管癌が疑われた.2009年10月開腹術を施行,開腹時,腫瘤は子宮後壁より発生し,直腸,S状結腸,および骨盤腹膜と一塊となっていた.両側卵巣,卵管に異常所見を認めなかった.腹式単純子宮全摘術,両側付属器切除術,S状結腸部分切除術,骨盤内リンパ節郭清,傍大動脈リンパ節郭清,腹膜播種巣摘出術,大網切除術,虫垂切除術を施行した.病理組織診断は子宮体部明細胞腺癌で,腫瘍近傍の子宮筋層内には子宮腺筋症を認め,子宮内膜は増殖期内膜で悪性所見はなく,腫瘍は子宮腺筋症から発生したものと考えられた.右卵巣および虫垂には子宮内膜症の所見が認められたが,悪性の所見はなかった.術後weekly TC療法を6コース施行し,現在までに再発を認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 347-347, 2010


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