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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
子宮腺筋症
画像診断にて悪性腫瘍と鑑別困難であった子宮腺筋症の一例


菊池 卓, 加茂 亜希, 望月 亜矢子, 田村 直顕, 平井 久也, 村上 浩雄, 宮部 勇樹, 伊東 宏晃, 杉原 一廣, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科


【序論】子宮腺筋症は,症状・画像診断・CA125等より診断する.確定診断は検体の病理組織診断であるが,術前のMRIによる画像診断は有力な診断方法である.今回我々は強度な出血と広範な壊死を伴い画像診断上悪性疾患と鑑別困難であった子宮腺筋症の症例を経験したので報告する.【症例】48歳,1経妊1経産,合併症はSLE,橋本病であった.約1ヶ月間持続する性器出血を主訴として当院初診.子宮は内診上で新生児頭大,頸部細胞診及び内膜組織診は陰性であった.持続する性器出血に対しEP合剤を投与した後,7日目に大量の性器出血を起こし救急外来受診.血液検査で高度貧血,血小板低下,腎機能障害,炎症反応上昇を認め緊急入院となった.MRIでは子宮底部に径が約9cmの辺縁不正な腫瘤を認め内部に出血壊死を伴っており悪性腫瘍を疑った.また,腫瘤内腔から子宮内腔への交通を認めた.血小板低下,炎症反応上昇がSLEの増悪に起因する可能性を否定し得なかったが,症状から子宮腫瘍の出血壊死によるものが強く考えられた.血小板および赤血球輸血を行って貧血を改善した後,子宮全摘術を施行した.術中所見は,子宮は新生児頭大,両側付属器に異常は認めなかった.腹水はなかった.摘出子宮の肉眼的検索で子宮内腔底部に瘻孔を認め,深部の腫瘤からの出血が子宮腔への流血点と考えられた.最終病理組織診断は広範な出血壊死を伴った子宮内膜症であり悪性所見はなかった.術後速やかに血液検査異常は改善し8日目に退院となった.【結論】強度な出血と広範な壊死を伴い画像診断にて悪性疾患と鑑別困難な子宮腺筋症を経験した.増強する性器出血の原因として腺筋症内の強出血と壊死を考慮する必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 358-358, 2010


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