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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
術後合併症とその予防
子宮体癌術後に生じた難治性鼠径リンパ嚢腫の1例


篠田 真理, 飯田 哲士, 野路 千智, 西島 義博, 杉山 太朗, 貴家 剛, 前田 大伸, 三上 幹男
東海大学医学部産婦人科


婦人科悪性腫瘍における術後合併症に,リンパ嚢腫があげられる.今回我々は,子宮体癌の初回治療後,鼠径リンパ節および傍大動脈リンパ節転移をきたした症例に対して,同部位のリンパ節郭清を行い,鼠径部に難治性リンパ嚢腫を生じた1例を経験したので,その治療経過につき報告する.症例は72歳,子宮体癌の診断にて根治術を施行された.44カ月後,左右鼠径部にリンパ節転移をきたし,同部位のリンパ節郭清を施行した.両鼠径部にドレーン留置し,術後18日で抜去した.しかしその後,左右鼠径部にリンパ嚢腫を形成し,頻回な穿刺吸引を要した.術後5カ月を経過した頃には,1回穿刺時の嚢腫内容液が片側だけで1200mlに達することもあった.ポピドンヨードを500倍希釈した生理食塩水にて嚢腫内を洗浄したが,数度の施行にても縮小効果が得られず,OK432の生理食塩水希釈液を注入することで嚢腫内癒着を試みたが,やはり効果は得られなかった.このため,リンパ節転移に対する手術から7カ月後,両側リンパ嚢腫摘出術を施行した.術後2週を経過しても,ドレーンからのリンパ液排出量が左右合計で200ml前後であったため,術後17日目にドレーン入れ換えと可及的な露出リンパ管結紮を施行した.しかしその後も排液量は減少せず,38日目に再度ドレーン入れ換え術を施行するとともに,リンパ嚢腫摘出後内腔にフィブリン糊(ボルヒール)を散布した.その後,排液量は急速に減少,術後45日でドレーンを抜去するに至った.リンパ嚢腫摘出後1年を経過し,下肢に軽度リンパ浮腫は認めるものの,増悪なく外来管理中である.本症例の治療は,患者と家族に説明と同意を得た上で行った.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 362-362, 2010


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