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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
術後合併症とその予防
腹式子宮全摘出術後の腟断端破裂の1例


多賀谷 光, 和田 麻美子, 正田 朋子, 大森 真紀子, 平田 修司
山梨大学産婦人科


子宮全摘出術後の腟断端破裂・腸管脱出は,まれに生じる重篤な合併症の1つである.一般的に,高齢者では腟断端創部の感染や血腫形成が,また,若年者では創傷治癒が完了する以前での性交渉がリスクとなる.今回,良好な術後経過であったが,腹式子宮全摘出術後3か月以上経過して腟断端破裂をきたした一例を経験したので報告する.【症例】症例は44歳,1経妊1経産.当院で8 cmの漿膜下筋腫を最大とする多発子宮筋腫に対して腹式単純子宮全摘出術を施行した.術後の経過に異常はなく,1か月後の外来診察の後,follow up終了とした.術後3か月が経過した深夜に,性交渉後の腹痛にて救急外来を受診した.微熱と軽度の頻脈,腹部の筋性防御を認め,また,腟鏡診ではやや混濁した水様帯下と腟内に脱出した腸管を認めたため,腟断破裂と診断し緊急開腹手術となった.脱出していた腸管には白苔の付着を認めたが変色や穿孔はなく,腸管切除は不要であり,離開した腟断端部の再縫合術を行った.術後は腹膜炎を発症することもなく,順調に経過し術後9日目に退院となった.【考察】子宮全摘出術後の腟断端破裂・腸管脱出の発症頻度は,報告による差はあるが,腹式手術で0.1〜0.2%,腹腔鏡下手術で0.2〜1%と言われている.若年者においては性交渉後の発症が高率だが,子宮摘出術後の経過に異常を認めない症例においても発症しており,予防および予測は困難である.本疾患では,腹膜炎や嵌頓ヘルニアを併発する危険があるため,子宮摘出既往のある腹痛症例では,本疾患も念頭におく必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 363-363, 2010


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