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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
術後合併症とその予防
子宮頸癌術後・放射線治療後に発症した外陰部lymphangiomaの2例


柏木 寛史, 友野 真理, 田島 敏樹, 池田 仁恵, 信田 政子, 平澤 猛, 村松 俊成, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学医学部専門診療学系産婦人科


限局性リンパ管腫(lymphangioma circumscriptum)は,拡張したリンパ管からなる皮膚や皮下組織に生じる良性奇形リンパ管腫で,先天性あるいは悪性疾患の術後や放射線治療後に発症する.文献的には24例の後天性リンパ管腫が報告されている.今回我々は,子宮頸癌術後・放射線治療後の外陰部に発症した外陰部リンパ管腫を2例経験したので報告する.症例1:56歳女性,33歳時に子宮頸癌に対し広範子宮全摘術および放射線治療を施行.術後より下肢浮腫を認め,さらに数年後より左側大陰唇にび慢性腫脹,多数のコンジローマ様小結節,漿液性浸出液が出現し,感染を繰り返した.浸出液・疼痛の訴えが強く,外陰部切除術を施行.病理は真皮内に多数の拡張したリンパ管を認め,リンパ濾胞の形成に伴うリンパ球浸潤も散見されたが悪性所見は認めず,外陰部リンパ管腫と診断.現在は経過良好である.症例2:68歳女性,56歳時に子宮頸癌に対し広範子宮全摘および放射線療法を施行.外陰部腫脹,右下肢浮腫・疼痛を繰り返し,漿液性の浸出液が続いたため68歳時に外陰部分切除術を施行.病理にて拡張したリンパ管を認めリンパ管腫の診断.術後,創離開を認めたが創洗浄を連日行い,現在は経過良好である.本疾患は悪性疾患の術後,放射線治療後に認められることが多く,コンジローマなどの性器疣との鑑別が必要である.治療は外科的切除が有効な場合があり,本症例では外科的切除により患者が満足する治療効果が得られた.外陰部リンパ管腫という稀な疾患を念頭におき,外科的な方法も含め治療方法の選択をするべきであると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 363-363, 2010


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