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<< 学会誌へ戻る 【緒言】臍帯血管腫の胎内診断例はきわめて稀であり，AFP値上昇，羊水過多，先天奇形や胎児死亡との関連性が報告されている．また，血管腫の増大に伴い，胎児水腫，胎児心不全，児の貧血や血小板減少などを起こすことも知られている．今回我々は，10cm大の臍帯血管腫を合併し，著明な胎児心拡大を認めたため，妊娠29週で緊急帝王切開に至った症例を経験したので報告する．【症例】症例は30歳の0回経妊0回経産．既往歴・家族歴に特記事項なし．自然妊娠成立後，他院にて妊婦健診を受けていた．妊娠26週に4cm大の子宮筋腫を疑われ，妊娠27週に約10cm大と急激な増大傾向を認めたため前医より紹介された．当院初診時の超音波検査にて胎盤近傍に血流豊富な9cm大の腫瘍を認め，絨毛血管腫と診断したが，MRI検査にて胎盤に近接した腫瘍であり，臍帯の流入を認めることより臍帯血管腫と診断した．入院時のAFP4,886ng/mlHCG182,396mIU/mlと高値であった．入院時AFI23.64cmと羊水過多を認めた．妊娠29週時，腫瘍の増大（15×11.5×17cm），CTAR55%と胎児心肥大を認めたため，緊急帝王切開にて分娩とした．手術時間28分，出血量1280gであり，児は1086g，Ap6/8，UmApH7.332にてNICU入院となった．病理結果は，hemangioma of umbilical cordであった．【考察】臍帯血管腫は，羊水過多や胎児心不全，胎児死亡などを引き起こす頻度が高い疾患であるため，胎児心機能を評価しながら，経過観察し，周産期異常を認めた際には，適切なterminationの時期を決定する必要があると考えた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 372-372, 2010 |
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