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【症例報告】
小腸瘤にメッシュを用い,ダグラス窩ヘルニア門を閉鎖した一症例


水島 大一, 吉田 浩, 竹内 梓, 香川 愛子, 佐藤 綾, 岡本 真知, 石川 雅彦, 平原 史樹
横浜市立大学附属市民総合医療センター婦人科, 横浜市立大学附属病院産婦人科


 低位腟に及ぶダグラス窩ヘルニア(小腸瘤)に対して,メッシュを直接ダグラス窩にパッチする方法が有効であったため,症例を報告する.【症例】84歳3経妊3経産【現病歴】14年前に子宮脱の診断で腹式子宮吊り上げ術施行.8年前直腸瘤のため後腟壁形成術施行.その後小腸瘤で再発し,1年前に当院紹介受診.【来院時の状態】ダグラス窩が直腸腟中隔を解離させながら落ち込み,最深部は腟口と肛門の間にヘルニア嚢を形成していた.直径は8 cm大でヘルニア内容より小腸瘤と診断した.【治療経過】ヘルニア嚢巾着縫合を施行したが,術後5か月で同様のヘルニア嚢が再発した.そこで,ダグラス窩を直接メッシュで閉鎖する方針とした.楕円形のポリプロピレンメッシュを,腹式にダグラス窩へはめ込み周囲腹膜と固定.会陰よりヘルニア嚢を巾着縫合した.【考察】本症例では,小腸瘤に対して行われる一般的な手術術式の適応が困難であった.子宮吊り上げ術後のため,仙骨子宮靭帯は痕跡的でありMcCall法の効果は望めないと考えられた.また,TVM-P(後壁用Tension-free vaginal mesh)は,直腸腟中隔に挿入したメッシュと仙棘靭帯を接近させ,ダグラス窩を塞ぐ作用もある.しかし,本症例ではヘルニア門が広く閉鎖が不十分であった.本症例で用いた,ダグラス窩をメッシュで覆い,ヘルニア門を直接メッシュで閉鎖する方法は有効な一法と考えられる.

Key words:enterocele, surgery mesh, pelvic organ prolapse

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(4) 417-421, 2010


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