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【症例報告】
初期常位胎盤早期剥離の診断にAntithrombin-III測定およびMagnetic Resonance Imagingが有効であった1例


石田 洋一, 平野 由紀, 若佐谷 敦, 厚木 右介, 山田 哲夫, 大和田 倫孝, 佐藤 郁夫
国際医療福祉大学病院産婦人科


 常位胎盤早期剥離(以下早剥)は,重症なものでは母児の死亡を惹起する産科救急疾患の1つであり,発症の予測は未だ困難とされている.今回,超音波断層法で早剥が疑われた無症状の症例に対して,Antithrombin-III(AT-III)およびMagnetic Resonance Imaging(MRI)により初期で早剥を発見した1例を経験した.症例は25歳で,妊娠35週の健診時の超音波断層法で胎盤辺縁に厚さ12 mmの後血腫が疑われた.さらに他の血液・凝固系検査において異常がなかったにも関わらずAT-IIIの低下を認め,MRI(T2 balanced sequence)で胎盤の子宮側に比較的高信号の後血腫像が見られたことより,早剥と診断した.その後,胎盤の後血腫像に増大傾向が見られたため緊急帝王切開術を実施し,2,199 gの女児をアプガール・スコア8点(1分)で娩出した.胎盤には約2 cm大の小血腫およびうっ血が見られ,組織学的に絨毛のうっ血および壊死を認め,病理組織学的にも早剥と診断した.初期の早剥の診断に,AT-IIIやMRIが有効なことが示された.

Key words:placental abruption, Early stage, Antithrombin-III, Magnetic Resonance Imaging

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 48(1) 23-27, 2011


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