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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【教育講演3】
婦人科領域での画像診断のポイント 〜MRIを中心に〜


扇 和之
日本赤十字社医療センター放射線診断科


 近年,臨床現場における画像診断の役割は重要性を増しており,婦人科領域においてもそれは例外ではない.本教育講演では,MRIを中心にして婦人科領域での画像診断のポイントについて述べる. 総論では,婦人科領域でのMRI診断におけるの基本的な信号解釈のポイントについて解説し,産婦人科領域に置いて最重要疾患の1つである骨盤血腫の信号解釈についても触れる.また主治医サイドよりMRI検査を依頼するにあたって,ガドリニウム造影やダイナミックスタディを「どのような際にオーダーすると良いか?」という適応のエッセンスについても概説する. 卵巣疾患では,卵巣嚢胞性腫瘤の鑑別のポイントについて“ステンドグラス腫瘤”(低信号と高信号が混在した多房性嚢胞性腫瘤)の鑑別を含めて述べる.また個々の卵巣腫瘍の画像的特徴という観点から,類内膜腺癌,明細胞腺癌,顆粒膜細胞腫,線維腫,未分化胚細胞腫,(卵巣)悪性リンパ腫,卵巣甲状腺腫といった疾患をとりあげる.また特に大腸癌からのKrukenberg腫瘍が卵巣原発の粘液性嚢胞腺癌と誤認されやすいといった画像診断上のピットフォールについても触れる. 卵巣に隣接した解剖構造であり,卵巣疾患との鑑別がしばしば問題となる卵管の疾患については,卵管癌や卵管膿瘍(卵管卵巣膿瘍)を中心にその画像所見を概説する. また子宮疾患に関しては,子宮頸癌や子宮体癌のMRIによる病期診断に関してダイナミックスタディの有用性を含めて解説し,最近脚光を浴びている拡散強調画像の悪性腫瘍への応用についても触れる.Common diseaseである子宮筋腫に関しては,筋腫結節の様々な変性とそのMRI信号パターンについて解説し,それに関連して子宮肉腫と筋腫との鑑別のエッセンスについても触れる. 子宮内膜症に関しては,脂肪抑制T1強調画像の有用性や画像診断にて癒着を判定するポイント,子宮腺筋症と筋腫との鑑別,内膜症性嚢胞と黄体出血との鑑別などを中心に解説する. 最後に婦人科領域の救急疾患である子宮外妊娠,卵巣捻転(卵巣腫瘤の茎捻転),卵巣出血などについて,その画像診断のポイントについて述べる. 婦人科領域において,MRIやCTといった画像診断は最終的な臨床診断を行う上での情報の1つに過ぎない.しかしながら「たかが画像診断,されど画像診断」であり,臨床家の先生方がそういった画像診断に精通することで,臨床現場での診療が更に完成度を増すものと拝察される.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 156-156, 2011


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