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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
先天性無フィブリノーゲン血症患者の妊娠・分娩管理 5症例7分娩の経験


小田 智昭1), 岸本 彩子1), 川合 健太1), 加茂 亜希1), 山崎 香織1), 内田 季之1), 鈴木 一有1), 杉原 一廣1), 伊東 宏晃1), 金山 尚裕1), 小林 隆夫2)
浜松医科大学産婦人科1), 県西部浜松医療センター産婦人科2)


【目的】フィブリノーゲン(fibrinogen:以下Fbg)は血液凝固過程の最終段階に関与する因子で,止血機構にとって必須かつ最も重要な因子である.また,Fbgは血液凝固因子であると同時に接着因子でもあるため,妊娠維持に関しても極めて重要な働きがある.このため無Fbg血症合併妊婦は,補充療法なしでは必ず流産となる.当院では,1985年に本疾患の妊娠・分娩の成功例を世界で初めて報告して以来,2010年までに5症例7分娩を経験した.今回我々は,これらの症例を報告するとともに,無Fbg血症の妊娠,分娩管理方針を提示する.【成績】妊娠初期よりFbg製剤の補充することにより妊娠維持ならびに分娩に成功した.分娩様式は,帝王切開は3症例4分娩,経腟分娩は2症例3分娩であった.妊娠合併症は.胎盤早期剥離1回,子宮内胎児発育不全1回が認められた.妊娠維持に必要な血中Fbg値については,妊娠初期には血中Fbg値60 mg/dl以上であればほとんどの場合出血しないが,妊娠が経過するにつれFbgの必要量は増大するとともに,子宮収縮などによりFbg消費量が亢進するため,妊娠中は100 mg/dl以上に保つことが望ましい.陣痛開始時は,胎盤早期剥離を予防するためにFbg値は150 mg/dlできれば200mg/dl以上を維持することが望ましい.産褥期にはFbgの必要量は急速に減少する.【考察】我々は先天性無Fbg血症患者の妊娠・分娩の成功例を5症例7分娩経験した.適切なFbg製剤補充により妊娠維持が可能である.分娩時には胎盤早期剥離に留意する必要があるが,原則として経腟分娩がすすめられる.また,必要に応じて帝王切開も可能である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 170-170, 2011


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