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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
診断に苦慮した卵巣原発バーキットリンパ腫の1例


松尾 典子1), 小林 陽一1), 橋本 玲子1), 百村 麻衣1), 松本 浩範1), 山本 阿紀子2), 岩下 光利1)
杏林大学産婦人科1), 杏林大学病理2)


【緒言】卵巣原発悪性リンパ腫は好発年齢40から50歳代,発生頻度は卵巣腫瘍全体の中でも約0.08%と極めて稀である.今回我々は,若年の卵巣原発Burkitt lymphomaを経験したので報告する.【症例】15歳,遷延する便秘と腹部膨満感にて前医受診.腹部に弾性塊の腫瘤触知し,超音波上充実性腫瘍および少量の腹水と拡張した腸管を認め当科紹介受診.血清LDHとCA125が上昇.CTおよびMRIにて内生殖器と消化管一塊,ダグラス窩に腫瘤,子宮の右側に長径10cmの腫瘤,多量の腹水,軽度の水腎症を認め,卵巣未分化胚細胞腫瘍が疑われた.初診後7日目に著明な腹部膨満感があり緊急入院.腹水穿刺施行したが,腹水細胞診はclass2だった.入院翌日に嘔気,嘔吐を認め,腸閉塞を呈した.入院5日目より急速に腫瘍圧排による腎後性腎不全を認めた.急速に病状が進行したため悪性リンパ腫を疑い入院6日目に緊急試験開腹し,右付属器切除を施行した.開腹時腹水は3000mlで,細胞診はclass5(lymphoma疑い)であった.術中所見は,子宮および左卵巣は正常大,右卵巣由来のやや柔らかい新生児頭大の腫瘍を認め,表面に怒張した血管を認めた.また直腸直下を這うようにびまん性に周囲に浸潤する腫瘍を認めダグラス窩も全周性に腫瘍により圧排されていた.それ以外にも後腹膜腔から直腸にかけ腫瘍を触知した.病理診断ではMalignant lymphoma, B cell lineage, Burkitt lymphomaを示唆する所見だった.【考察】急速に進行する充実性卵巣腫瘍でLDH異常高値を認めた場合は,悪性リンパ腫等の血液疾患の可能性も考慮し診断治療を進めていく必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 217-217, 2011


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