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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
卵巣癌終末期において症状緩和に苦慮した一例


中島 泉1), 谷口 華子2), 瀬川 惠子1), 松崎 結花里1), 納田 容子1), 山本 葉子1), 野村 可之1), 松永 竜也1), 杉浦 賢1)
横須賀共済病院産婦人科1), 横浜市立大学産婦人科2)


【諸言】癌終末期患者の様々な症状を傾聴し,種々の処置や投薬を行い,緩和に努めなければならない.今回我々は胸水貯留に伴う呼吸苦や除痛困難な胸痛など症状緩和に苦慮した一例を経験した為,報告する.【症例】症例は65歳.初回治療にて卵巣癌Ic期pT1cpNxpM0.病理診断はMucinous cystadenocarcinomaであった.その後種々の化学療法を行ったが傍大動脈リンパ節転移や胸椎転移などを繰り返し,初回治療から約2年後癌性腹膜炎,胸腹膜炎による胸腹水貯留,多発肺転移を来し,緩和医療中心へと移行した.胸水貯留による呼吸苦が強く,トロッカーによる排液,ステロイドの投与などで症状の改善を得た.しかし排液量が減らず癒着療法は不可能で,留置が長期に渡り,刺入部の疼痛,違和感が強くなったため,ドレーンを抜去した.トロッカー抜去から6日後,強い右腰背部痛を訴え,塩酸モルヒネ注のフラッシュ,1日維持量の増量,モルヒネ以外にNSAIDs,ジアゼパム,ヒドロキシジン塩酸塩の点滴静注を行ったが,その効果は乏しかった.御本人や御家族が速やかな症状緩和を強く希望したため,ミダゾラムによる鎮静を行い傾眠が得られ,苦悶様の表情は残るものの,疼痛の訴えは著明に減少した.鎮静を開始し約1日後癌死となった.【考察】突然の除痛困難な背部痛を訴えた翌日の造影CTでは,胸水の中に一部densityが高い部分もあり,膿胸や血胸を疑う所見が得られた.通常胸水とは異なる性状の液体による胸膜刺激の為,除痛が困難であった可能性がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 221-221, 2011


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