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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
帝王切開瘢痕部妊娠の3例


森 瑛子, 深見 武彦, 野口 唯, 柿栖 睦実, 山口 道子, 坊 裕美, 立山 尚子, 西田 直子, 松島 隆, 土居 大祐, 可世木 久幸, 朝倉 啓文
日本医科大学武蔵小杉病院女性診療科・産科産婦人科


帝王切開瘢痕部妊娠(以下瘢痕部妊娠)は異所性妊娠の1つであり,大量出血や子宮破裂,子宮全摘出となることも多く,母体死亡に関連し得る疾患である.本疾患は近年の帝王切開率上昇に従い報告が増加している.今回我々は,methotrexate(MTX)投与単独,もしくは子宮動脈塞栓術(UAE)および子宮内容除去術との組み合わせにより保存的に治療し得た3症例を経験したので文献的考察を踏まえて報告する.症例1:36歳,6経妊2経産(帝王切開2回),最終月経より8週に瘢痕部妊娠の診断で当科紹介受診した.初診時血中hCG205440IU/l,CRL 15 mm,FHB+であった.治療はMTX 50 mg の局所投与と50 mg/m 2の全身投与,さらにUAE および子宮内容除去術を行った.入院期間は55 日,hCG 陰性化まで83 日を要した.症例2:35 歳,1 経妊1 経産(帝王切開1 回),最終月経より9 週に帝王切開瘢痕部妊娠・稽留流産の診断にて当科紹介受診した.初診時血中hCG 22502 IU/l,15 mmのGS のみ認めた.治療はMTX 50 mg の局所投与とMTX 50 mg/m 2の全身投与で,入院期間は25 日,hCG 陰性化まで42 日を要した.症例3:38 歳4 経妊2 経産(帝王切開2 回),最終月経より6 週にIUFD の診断で前医にて子宮内容除去術施行,その後出血持続するため当院救急搬送された.超音波検査,MRI 検査で瘢痕妊娠と診断した.初診時血中hCG 139714 IU/l であり,治療はMTX 50 mg/m 2の全身投与で,入院期間は56 日,hCG 陰性化まで83日を要した.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 222-222, 2011


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