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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
妊娠16週でAmniotic fluid sludgeを認め流産した頸管無力症の一例


柿栖 睦実, 森 瑛子, 野口 唯, 山口 道子, 坊 裕美, 立山 尚子, 西田 直子, 深見 武彦, 松島 隆, 土居 大祐, 可世木 久幸, 朝倉 啓文
日本医大武蔵小杉病院産婦人科


Amniotic fluid sludge(AFS)は超音波観察で内子宮口近辺に存在する羊水内の沈殿物で,時に羊水中を浮遊する粒子状の物質の集塊である.その存在は,組織学的絨毛膜羊膜炎や,子宮内細菌感染,流早産に関係するといわれるが,大規模な調査,報告はなく,正確な頻度やその意義は未だ不明な点が多い.今回,頸管無力症で流産した症例でAFSが早期より認められた症例を経験したので報告する.症例:39歳,3経妊0経産の習慣流産の妊婦.妊娠20週で前期破水と,2回の稽留流産(妊娠11週)の既往がある.妊娠診断後,バイアスピリンを内服し,頸管縫縮術のタイミングを計りながら外来で厳重経過観察中であった.妊娠13週で初めてAFSを認めた.14週になると子宮頸管腺領域像(CGA)が不明瞭であった.16週には子宮頸管長は32mmあり,子宮頸管粘液エラスターゼが陽性となった.細菌培養ではLactbacillusのみが検出されている.しかし,妊娠18週になると子宮頸管長16mmと急激に短縮を認め,緊急入院した.入院2日後,子宮収縮は認めないものの胎胞膨隆し,緊急シロッカー頸管縫縮術を施行.しかし,2日後には再び胎胞膨隆し,再度マクドナルド頸管縫縮術を行った.妊娠20週4日には臨床的絨毛膜羊膜炎の所見と共に自然破水を来たし,流産した.AFSは破水まで観察されたが,その後には不明となった.娩出した胎盤,卵膜の病理所見では組織学的CAMと,Funitisが観察され,Enterococcus fecalisとE.Coliの細菌が陽性であった.結論:子宮口開大に先だってAFSが認められ,CGAは消失し,頸管長は短縮し,流産した.AFSは子宮内慢性細菌感染と深く関連するといわれ,流早産リスクが高い.適正な治療方針は今後の課題である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 224-224, 2011


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