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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
自然消失した産褥の子宮動静脈奇形


品川 光子, 窪田 文香, 島田 智聡, 山田 香織, 高木 緑, 矢島 修, 高木 靖
諏訪赤十字病院産婦人科


【緒言】子宮動静脈奇形は,子宮内掻爬術や妊娠,感染などを契機に形成され,過多月経や不正出血の原因となる.特に,不用意な子宮内操作で,予期せぬ大出血を起こす危険性があるが,稀な疾患であるため見過ごされやすい.治療としては子宮摘出や血管塞栓術,ホルモン療法などの報告がある.今回,経腟分娩後に不正出血の持続で発症し,産褥1年目に動静脈奇形が自然消失した1例を経験した.【症例】30歳,5G―1P(3回人工妊娠中絶,1回流産).今回の妊娠前には症状がなく,妊娠初期に少量の不正出血を認めたが,他には大きな異常なく経過した.妊娠39週で経腟(吸引)分娩となり,総出血量は370gで,産褥経過は順調だった.1ヵ月健診時にも,少量の悪露を認めたが,授乳中の産褥3ヵ月目から不正出血が持続し,次第に増加したため,産褥6ヵ月目に受診した.超音波検査で子宮内腔に径18mmの血流豊富なモザイク状腫瘤を認め,造影MRI検査でも,flow voidが筋層から連続して内腔に突出し,子宮動静脈奇形と診断した.尿中HCGは陰性で,子宮内膜では細胞診:classIIb,組織診:脱落膜組織の残存を認め,内膜の復旧不良を示唆する所見であった.止血目的で,ノルゲストレルエチニルエストラジオール(EP合剤)の内服を開始したが,嘔気のため中断した.その後,授乳中止とともに出血量が減少し,経過観察していたところ,分娩後1年で動静脈奇形は自然に消失した.【考察】稀ではあるが,不正出血の鑑別疾患として,子宮動静脈奇形を念頭に置く必要があり,カラードプラー法を用いれば,診断は比較的容易である.多量出血であれば,子宮摘出や動脈塞栓術が適応となるが,軽症の場合,自然消失を期待して経過観察することも可能である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 238-238, 2011


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