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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
帝王切開後創部感染との鑑別に苦慮した壊疽性膿皮症の一例


塙 真輔, 杉田 達哉, 小幡 新太郎, 田中 圭, 上杉 健哲
成田赤十字病院産婦人科


今回,我々は帝王切開後の創部感染との鑑別に苦慮した壊疽性膿皮症の一例を経験したので報告する.【症例】25歳女性.1 経妊1 経産(36 週,IUFD.原因は不明)既往歴:先天性低リン性くる病.現病歴:前医にて骨盤位のため帝王切開(36 w 1 d,2350 g)同日より術後抗生剤としてCTM 投与開始.術後2 日目より38〜39℃ の発熱が出現.CTM が無効と考え術後3 日目より抗生剤をCTRX に変更.術後5 日目抜鉤時に創より膿汁様分泌物と創部圧痛あり.CTRX に加えCLDM を追加した.しかし創部の膿瘍は改善せず,創部離開も出現.発熱も改善しないため帝王切開後創部感染の全身管理目的で術後7 日目に当院搬送になった.当院搬送後,培養一式採取し,皮膚科医師にコンサルし,創部の生検を施行した.当院では培養,皮膚生検の結果が出るまでは術後創感染と考え,MEPM,CLDM の投与を開始した.しかし抗生剤では全身状態改善しなかった.培養結果は陰性であり,皮膚生検の結果は壊疽性膿皮症であった.そのため術後10 日目よりPSL の投与を開始した所,発熱は速やかに改善し,全身状態も改善した.皮膚症状も改善が見られたため術後22 日目に退院となった.【考察】壊疽性膿皮症は慢性の無菌性潰瘍を形成する好中球性皮膚症である.難治性で再発を繰り返すこと,無菌性で抗生物質で改善しないことから診断される.妊娠,出産に関連した壊疽性膿皮症は稀ではあるが報告は散見される.術後創部潰瘍を認め抗生剤が無効の時には壊疽性膿皮症を一つの鑑別疾患として考慮することが必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 240-240, 2011


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