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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【教育セミナー4】
胎児心拍数波形の分類に基づく分娩時胎児管理の指針(日産婦2010年版)


池田 智明
三重大学医学部産科婦人科学<RTN/>「胎児機能不全の診断基準作成と妥当性の検証に関する小委員会」


 胎児心拍数モニタリングが発明されてから半世紀となる.いまや,わが国ではほぼ100%の分娩に使用されており,もっとも普及した産婦人科の検査法となっている.しかし,モニタリングの評価法とそれに対する臨床的対応に関しては,世界的にもいまだ標準化されたものがない.今世紀に入って,イギリス,カナダ,アメリカで,心拍数パターンの評価法,対応についてのガイドラインが発行され,わが国においても日本産婦人科学会から「胎児心拍数波形の分類に基づく分娩時胎児管理の指針」が2008年に提案された.マイナーな改変を経て,2010年に,提案として発行された.胎児心拍数波形を,心拍数の諸要素(基線際変動,基線,一過性徐脈)の組み合わせから,胎児の低酸素・酸血症などへのリスクの程度を推量するために5つのレベル(レベル1から正常,亜正常,異常波形(軽度),(中等度),(高度))に分類し,胎児機能不全は,レベル3-5を該当させる.それぞれに,医師と助産師別に,対応と処置(経過観察,監視の強化,保存的処置,急速遂娩準備,および急速遂娩)の組み合わせを当てはめていく.上述したイギリス,アメリカなどのガイドラインが3段階(3-tier system)に分類されているのに対して,この中間分類が広すぎる欠点を補うために,独自に5段階(3-tier system)を採用した.2010年10月に,Journal of Obstetrics and Gynaecology Research(Vol.36, 925-928)に,英文版を掲載し,本ガイドラインがインターナショナルに通用するための布石を打った.  本ガイドラインは,「リアルタイムトリアージ法」と呼ぶことのできるもので,5段階の胎児心拍数パターンレベルに分類し(トリアージし),それに沿って,それぞれの医療職の対応を示した.分娩時の胎児管理は,@胎児が正常にもかかわらず異常パターンがしばしば現れること,A正常パターンと正常でないパターンが代わるがわる出現すること,B突然異常パターンが出現すること,に対応しなければならない.  現在,この日産婦指針の全国的普及とともに,(1)判読の再現性と一致性の強化,(2)本指針で管理したが,予後が不良であった症例の蓄積を通して,有効性の検証を行っている.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 273-273, 2011


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