関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
当センターの精子治療前凍結保存の現状と課題


宮田 あかね, 吉田 丈児, 荒岡 千景, 木下 孝一, 橋本 志歩, 吉丸 真澄, 内田 明花, 仲村 勝, 小川 真里子, 兼子 智, 高松 潔
東京歯科大学市川総合病院リプロダクションセンター


【目的】当センターでは倫理委員会の承認のもと,男性の妊孕性温存のため悪性腫瘍等の治療前(一部は初期治療後)に精子の凍結保存を行っている.今回精子治療前凍結保存の現状と課題を明らかにすることを目的とした.【現状】1994年〜2010年までに,要請された367例中,309例に凍結保存ができた.14〜60歳(平均31歳,未成年は25例)で,独身256例,婚約中16例,既婚95例であった.疾患別は,精巣腫瘍138例,白血病91例,悪性リンパ腫48例,骨髄異形成症候群17例,前立腺癌13例,その他60例で,洗浄濃縮後の精子濃度×106/mL(初期治療後の症例)は,精巣腫瘍5.6(例数少),白血病10.5(5.2),悪性リンパ腫9.2(3.1)であった.27例49周期(IUI 14周期,conv.IVF+ICSI 8周期,ICSI 27周期)に受精に供し,11周期(IUI 2周期,conv.IVF+ICSI 2周期,ICSI 7周期)に妊娠成立した.2010年12月現在,上記以外の282例中,凍結中147例,死亡(連絡あり)6例,中止(手続き済)19例,更新期限(1年間)を超えても無連絡110例であった.【課題】1.初期治療後の凍結例では精液所見が悪く,初期治療前の凍結が望まれる.2.未成年の場合の本人の意思確認,適応上限の年齢・保存終了の年齢にコンセンサスが得られていない.3.「男性疾病への対策」との認識のため,女性の不妊検査,IUI,ARTの理解が得られないことがあった.詳細な説明が必要と考えられる.4.精液所見が正常でも,受精の回数が限られる場合,IVFやICSIの適応となるかも議論を要する.5.妊娠成立後の周産期予後や児の予後の情報が少ない【結語】課題はあるものの11周期に妊娠が成立しており,精子治療前凍結の意義は大きいと考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 295-295, 2011


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会