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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
胎児巨脳症および胎児水腫によりMirror症候群を呈した一例


村山 季美枝, 奥津 由記, 安藤 歩, 遠藤 紫乃, 山下 有美, 秦 ひろか, 杉下 陽堂, 五十嵐 豪, 中村 真, 井槌 慎一郎, 田村 みどり, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学病院産婦人科


【緒言】Mirror症候群は胎児水腫等に伴い母体に全身の浮腫,貧血,低蛋白血症を呈し,さらには肺水腫に至ることがある病態であり,胎児水腫のうち0.9%の頻度でみられる.【症例】37歳2経妊2経産.自然妊娠成立後近医で妊婦健診継続.18週3日まで異常所見を認めず.24週0日の健診時に胎児脳室拡大と羊水過多があり,25週0日に精査加療目的に当院紹介.胎児MRIでは右巨脳症を認めた.28週6日の胎児超音波検査にて皮下浮腫,胎児腹水,右心不全の状態であり精査管理目的に入院.NSTモニター上はaccelerationを認めずvariabilityは乏しかった.胎児水腫の原因は同定されず経過観察とした.29週3日,呼吸苦の訴えがありSpO2:95%まで低下し,胸部X-P上肺水腫を認めた.塩酸リトドリンによる肺水腫を疑い硫酸マグネシウム点滴に変更するも改善せず.肺水腫はさらに増悪し,血中HCG:179295mIU/mlと高値であり,経過よりMirror症候群と診断し,母体適応で緊急帝王切開術施行.児は第1骨盤位で娩出,アプガールスコア:1点/2点,臍帯動脈血pH:7.20.児は出生後45分で死亡.母体の肺水腫は分娩後速やかに改善し,術後7日目に退院.児は病理解剖を施行したが,右心不全を来すような脳内病変は認めず,胎児水腫の原因も不明であった.【結論】胎児の巨脳症,原因不明の胎児水腫により母体に肺水腫を呈した一症例を経験した.Mirror症候群の臨床症状は妊娠高血圧症候群と類似しており,正確な診断がされぬまま経過する症例も少なくないが,急激に肺水腫を起こす重症例もあり注意が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 300-300, 2011


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