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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
妊娠前の子宮卵管造影が原因と考えられた胎児巨大甲状腺腫の一例


栗本 ちえ子, 尾本 暁子, 岡山 潤, 井上 万里子, 田中 宏一, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学附属病院周産期母性科


【緒言】妊娠前の造影剤が原因と推定された胎児の巨大甲状腺腫を経験したので報告する.【症例】40歳(2経妊0経産).続発性不妊症のため,前医にて脂溶性造影剤(リピオドール?,10ml)による子宮卵管造影検査を受けた.その周期にAIHにより妊娠が成立した.近医にて妊婦健診を受けていたが,妊娠34週の検診時,偶然胎児前頚部の充実性腫瘍を発見され,当科に紹介された.超音波検査では,胎児前頚部に,均一で高輝度の内部エコーを有する充実性腫瘤(56×42×27mm)を認めた.腫瘤は,左右対称性で血流が豊富であり,胎児甲状腺腫を疑った.母体の血中ホルモン値には甲状腺機能異常はみられなかった.(TSH1.206 uIU/ml,freeT4 2.56 pg/ml,freeT3 0.92ng/dl).反屈位のため妊娠37週1日に選択的帝王切開術を施行した.児は2844g,Aps5/9,日齢3日の検査で,甲状腺機能低下を認めた.(TSH190.556 uIU/ml,freeT4 2.78 pg/ml,freeT3 0.66ng/dl).特に治療することはなく,日齢7に自然に甲状腺機能は正常化し,現在外来にて経過観察中である.【考察と結論】本例では,妊娠中の多量ヨード摂取はなく,妊娠前の造影剤が原因として疑われた.脂溶性造影剤は,水溶性造影剤に比較して体内に長く遺残し胎児甲状腺腫の原因となることが知られている.しかし,造影剤使用により実際に甲状腺腫をきたす例はごく稀である.使用量も常用量であった本例において,なぜ甲状腺腫が生じたのかは不明である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 304-304, 2011


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