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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
妊娠中の便秘症に対する,大建中湯の有効性について


中山 毅, 宮野 奈緒美, 石橋 武蔵, 田中 一範
JA静岡厚生連静岡厚生病院産婦人科


【緒言】妊娠中の便秘症の多くは弛緩性便秘であり,胎盤から分泌される黄体ホルモンが腸蠕動の低下を起こすこと,妊娠子宮による圧迫により便秘になりやすい.今回妊娠中の便秘症に対する大建中湯の有効性につき,検討してみた. 【対象と方法】16週から29週までの妊婦12名(初産4名,経産8名),器質疾患を持たない便秘症に対し,大建中湯エキス顆粒(ツムラ)15g/日を処方した.便秘症の定義として,排便に伴う症状(残便感,腹部膨満感など)を呈し,3日以上排便を認めない状態とした.項目として,便性,排便回数,腹部膨満感,腹痛の程度を0-3までの4段階にスコア化し,その合計点を便秘スコアとした.投与前,2週後,4週後につき比較.統計処理は,Student t検定を用いた. 【結果】便秘スコアについては,投与開始前は9.58±1.44であったが,2週目は6.41±2.10,4週目は,5.91±2.23であり,投与前と比較して有意に低下した(p<0.01).さらに便性,排便回数,腹部膨満感,腹痛のいずれの項目で投与前と比べ有意に低下(p<0.01).しかし,2週目と4週目は全てのスコアに有意差を認めなかった. 【考察】便秘症に対する漢方薬は大黄を含有するものが多く,苦みから飲みづらいだけではなく,駆お血作用より子宮収縮を惹起する可能性があり,妊娠中は慎重投与となっている.本検討より,大建中湯は,妊娠中の便秘症に対し,2週以内の早期から改善効果を認めた.しかし,投与2週と4週後には有意差はなく,2週以上継続してもさらなる改善は期待できないと考えられた.また子宮収縮につき懸念したが,切迫流早産となった症例もなく,妊娠中の便秘症に大建中湯を用いることは安全であろうと考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 314-314, 2011


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