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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
術前診断が困難であった子宮内膜間質肉腫の一例


堂園 渓, 百村 麻衣, 眞山 麗子, 長内 喜代乃, 澁谷 裕美, 橋本 玲子, 松本 浩範, 小林 陽一, 岩下 光利
杏林大学産婦人科


【緒言】子宮肉腫は子宮体部悪性腫瘍の約8%を占め,そのうち子宮内膜間質肉腫は子宮肉腫の約13%と言われている.子宮肉腫はしばしば子宮内腔に腫瘍を認めない為,術前診断に苦慮する症例が多い.今回,特異な発育形態から術前診断が困難であった子宮内膜間質肉腫の1例を経験したので報告する.【症例】60歳代.2経妊2経産.不正出血を主訴に前医を受診,経腟超音波検査にて骨盤内に腫瘍を認めた為,当科紹介受診となった.子宮頚部および内膜細胞診は異常なく,腫瘍マーカーの上昇も認めなかった.MRIでは子宮前壁の筋層内に直径約90mm大の境界明瞭な腫瘤を認め,内部に液体貯留を認める嚢胞性病変であった.壁は全周性に不整に厚く,内側に向かって乳頭状の腫瘤が多数突出しており悪性腫瘍が疑われた.診断治療目的に単純子宮全摘術+両側付属器切除術を施行した.肉眼的に摘出子宮を確認したところ,腫瘍は筋層内に存在し子宮内膜は平滑で異常を認めなかった.腫瘍の術中迅速組織診にて低分化な癌腫が疑われたため,リンパ節郭清術を追加で施行した.術後の病理組織検査では子宮筋層内の腫瘍はmalignant mesenchymal tumorであり,免疫染色では上皮系マーカーがいずれも陰性であることから癌腫の可能性は低く,平滑筋マーカーもいずれも陰性であったことから子宮内膜間質肉腫と診断された.術後MPAの内服にて半年経過しているが,現在まで再発兆候を認めていない.【考察】子宮内膜間質肉腫は通常子宮内腔に突出するポリープ状病変の形態を示すことが多いが,本症例は内膜面に腫瘍は認められず子宮筋層内に発生した非典型的な症例であり,画像所見も特異的であったことから術前診断が困難であった.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 340-340, 2011


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