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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
Primary debulking surgeryを施行し,全身状態が著明に改善した巨大卵巣腫瘍の一例


平島 聡子, 楯 真一, 加藤 一喜, 錦見 恭子, 山本 憲子, 碓井 宏和, 木原 真紀, 植原 貴史, 三橋 暁, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院婦人科


状態不良な卵巣癌患者では,術前化学療法かprimary surgeryを行うか迷うことがある.腫瘤の圧迫や循環負荷などによる状態不良の場合,手術によって飛躍的な改善を得られる可能性がある.今回,我々は巨大な充実性卵巣腫瘍患者で,primary surgeryにより全身状態の著明な改善を得て,術後化学療法へスムースに移行した症例を経験した.術前化学療法かprimary surgeryかを選択する場合,手術のリスクとともに手術の直接効果によるメリットも斟酌して判断してよい症例と思われたので報告する. 【症例】72歳,2経妊2経産.2011年2月より下腹部膨隆感を訴え当科初診.臍上2横指まで達するほぼ充実性腫瘍を認めた.血液検査所見では,LDH 1416U/L,CA125 746U/ml,CRP 9.2mg/dlと高値を示した.その後圧迫症状による下腹部膨隆感と下肢浮腫,腰痛,呼吸困難のため日常生活困難になり,緊急入院となった.全身状態不良のため術前化学療法も考慮されたが,primary surgeryを施行した.開腹所見では腫瘍は子宮及びS状結腸への浸潤を認め,内性器全摘術,大網部分切除とともにハルトマン手術,人工肛門造設術を必要とし,optimal surgeryとなった.術中出血量は5950gに達し,濃厚赤血球16単位,新鮮凍結血漿10単位を輸血した.腫瘍重量は8.4kgで病理学的には右卵巣原発癌肉腫,T3cNxM0であった.術後ICU入室となるも術後4日目に一般病棟へ帰棟できた.腫瘍の圧迫症状は全て改善し術後17日目より化学療法を施行できた. 【結語】状態不良な進行卵巣癌では術前化学療法が考慮されるが,本例は腫瘍の圧迫症状に伴う状態不良であり,primary surgeryを施行することでPSが著明に改善し,スムーズに化学療法へ移行できた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 346-346, 2011


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