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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
帝王切開創部妊娠・頚管妊娠に対する経皮的動脈塞栓術(TAE)の有用性と予後に関する臨床的検討


大原 健1, 村山 敬彦1, 高井 泰2, 斉藤 正博1, 高木 健次郎1, 馬場 一憲1, 関 博之1
埼玉医大総合周産期母子医療センター母胎胎児部門産婦人科1, 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科2


【目的】帝王切開創部妊娠・頚管妊娠は異所性妊娠のまれな形態であるが,帝王切開の増加に伴い,帝王切開創部妊娠は増加傾向にある.その治療にあたっては出血のコントロールが重要であるが,我々は経皮的動脈塞栓術(TAE)を併用した病巣除去術を施行することが多い.今回,帝王切開創部妊娠・頚管妊娠に対するTAEの有用性とその予後について検討した.【方法】2004-2010年に帝王切開創部妊娠・頚管妊娠に対してTAEを併用し病巣除去術を施行した27例を対象として,1:術中出血量,2:術直後の経過,3:術後の月経・妊娠分娩経過について検討した.【成績】1:輸血を必要とした症例は3例で,いずれもTAE未施行の手術で大量出血した.手術前にTAEを施行した24例は全て出血少量であった.2:HCG下降不良でMTXを追加した症例1例,子宮全摘術を行った症例1例,TAE・D&C後となった症例1例,創部妊娠を繰り返した症例2例があった.3:TAE施行後に7例(26%)が妊娠した.2例は再度創部妊娠となり,5例は妊娠分娩経過に異常はなかった.1例を除いて現時点で月経異常を認めていない.無月経の1例ではAshermann症候群および子宮内膜菲薄化を認めた.【結論】帝王切開創部妊娠・頚管妊娠に対して様々な治療法が報告されているが,標準的な治療法は確立されていない.TAEは侵襲も少なく,出血量を減らし安全に手術するために有用であると考えられた.gel spongeによる一時的阻血は卵巣や子宮内膜に与える影響は少ないと推察されるが,妊娠初期は産褥期に比べて血行回復が遅れている可能性があり,子宮内膜への障害の可能性も念頭に置くべきであろう.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 347-347, 2011


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