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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
性成熟期に発見された小陰唇癒着症


池田 伴衣1, 渡辺 尚1, 川合 志奈2, 中村 繁2, 中井 秀郎2, 松原 茂樹1, 鈴木 光明1
自治医科大学産婦人科1, 自治医科大学小児泌尿器科2


小陰唇癒着症は,両側小陰唇が癒着し,腟前庭を塞いでしまう疾患である.その多くは後天性で,低エストロゲン環境下に炎症などの2次的要因が加わって発症し,乳幼児や老齢婦人に発見されるが,性成熟期における本症発見は極めて稀である.正常月経周期を示す既婚婦人における小陰唇癒着症の診療経過を報告する.【症例】35歳.初経11歳.月経周期は順調で月経困難症および過長月経はない.26歳で結婚したが,性交への恐怖感があり性交経験はなく,夫はそれを理解しとくに何もいわなかった.3か月前からの尿勢不良を主訴に近医泌尿器科を受診し,腟の奇形が疑われ,当院へ紹介された.小陰唇は完全に癒着し,正常大陰核直下に小孔が存在した.尿と月経血はこの小孔を通じて体外へ排出されているものと想定された.MRIでは子宮,両側卵巣,膀胱および腟の形態と尿道の走行とに異常を認めなかった.血中LH,FSH,E2は正常値.全身麻酔下に8Frの直ブジーを小孔から肛門側へ挿入し,それに沿って癒着部を切開したところ,正常形態の外尿道口と腟口とが現れてきた.切開縁は連続縫合.再癒着を認めていない.【考察】癒着は小陰唇に限局し,切開のみで治療できた.乳幼児期に発症した癒着が,性成熟期になっても自然治癒せずに存続したものと推測される.本例はnormal intelligenceであり,結婚後長期間性交がなく,夫もそれに対して疑問を示さず,排尿困難を主訴に受診している.経過が極めて特殊である.排尿困難を主訴とし,本人も婦人科疾患だと気付いていない成人期小陰唇癒着症もあり得る点が重要なポイントである.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 349-349, 2011


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