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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
ワルファリンで管理が困難であった卵巣明細胞腺癌に伴うTrousseau症候群の1例


佐藤 明日香, 碓井 宏和, 山本 憲子, 錦見 恭子, 加藤 一喜, 楯 真一, 三橋 暁, 生水 真紀夫
千葉大学婦人科


【緒言】Trousseau症候群は,悪性腫瘍のために凝固が亢進して脳梗塞・心筋梗塞などの動脈血栓症,肺塞栓などの静脈血栓症を併発する症候群である.今回,卵巣明細胞腺癌に伴うTrousseau症候群を経験したので報告する.【症例】患者は39歳.たこつぼ型心筋症による心不全を発症して入院.心尖部血栓および多発脳梗塞を認め抗凝固療法を開始した.精査の結果,卵巣癌と診断され当科へ紹介.試験開腹で卵巣明細胞腺癌T2cN1M0と診断し,化学療法後に病変の完全切除術を施行した.術後に,ワルファリンとパラミヂン併用による抗凝固療法を継続したが,ワルファリン必要量は術前の1/3に減少した.術後4ヶ月目に骨盤内再発を認めた.この頃から凝固能が再び亢進しワルファリンによるコントロールが不良となり,脳梗塞が再発したため未分画ヘパリンによる管理に変更した.現在,外来で未分画ヘパリンの自己皮下注射による管理を行っているが,出血と塞栓症状との間でヘパリン量の調節に苦慮している.【まとめ】本例では,腫瘍摘出後に凝固異常が改善して抗凝固療法による管理が容易となり,逆に腫瘍の再発時には抗凝固療法による管理が不良となって塞栓症の再発をきたした.当院では,腫瘍の再発・進展時に一致して塞栓症の増悪を示したTrousseau症候群の症例を,2008年以降に3例経験している.いずれも,塞栓症増悪後はワルファリンからヘパリンに変えて管理を行った.2例では,ヘパリンの自己皮下注射を導入することにより在宅での管理へ移行させることができた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 350-350, 2011


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