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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
化学療法を施行中高度電解質異常を呈した一例


寺田 光二郎, 古村 絢子, 宮下 真理子, 長坂 貴顕, 中村 泰昭, 落合 尚美, 中川 圭介, 矢部 慎一郎, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科


【はじめに】IAP(Ifosfamide,Adriamycin,Cisplatin)療法の副作用は様々起きるが,電解質異常はまれである.今回,子宮がん肉腫に対してIAP療法を施行したことで,重度の電解質異常を来し,化学療法の変更を余儀なくされた一例を経験したのでここに報告する.【症例】63才 女性 1G1P 不正性器出血ならびに腹部膨満感にて来院した.子宮内膜生検にて子宮癌肉腫の診断となった.進行期は子宮体癌に準じIIb期にて,手術療法(単純子宮全摘術+両側付属器切除術+骨盤内リンパ節廓清術)施行後,IAP療法を行った.化学療法3日目より,悪心,嘔吐出現したが,頻回ではなく対症療法にて対応した.5日目に構音障害出現し精査した結果,Na 107mEq/dl,Cl 70mEq/dl,K 3.0mEq/dlと高度電解質異常をきたし,尿中NaならびにCl,Kの排出量の増加,尿量の増加を認めたため,高濃度のNa,K,Cl負荷を慎重に行い治療を開始した.尿中の電解質の排出は次第に減少し,電解質異常も改善してきたが,副作用がGrade 4とのことでIAPは中止し他のレジメンへの変更を余儀なくされた.現在TC(Paclitaxel,Carboplatin)療法を施行しており,経過は順調である.【考察】化学療法の副作用として悪心,嘔吐は高頻度で起こる.またNaの電解質異常では,急激にNaの血中濃度が下がる場合,悪心嘔吐をきたすことがある.化学療法では悪心嘔吐出現時には薬物療法にて対処するため,今回の高度尿中電解質排出量,尿量増加に対する高度電解質異常による悪心,嘔吐の初期の段階での発見が遅れた可能性がある.今後は他の合併症を考慮し,検査,治療を行わなければならない.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 358-358, 2011


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