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【原著】
産婦人科以外を初診した異所性妊娠症例の臨床的特性―異所性妊娠65例の後方視的検討―


松本 直樹1), 八百 陽介2), 松尾 めぐみ3), 長田 まり絵1), 鈴木 永純1), 松本 智恵子1), 高橋 幸男1), 山下 恵一1)
深谷赤十字病院産婦人科1), 国立印刷局東京病院整形外科2), 千葉大学臓器制御外科学3)


 異所性妊娠は代表的な産婦人科救急疾患であるが,他科の医師にとって大きなピットフォールでもある.このような視点から異所性妊娠に関する問題点を明らかにすることを目的とし,深谷赤十字病院で手術が行われた異所性妊娠65例を後方視的に検討した.腹腔内貯留出血と術中出血を合計した術中総出血量1,000 mL以上を出血多量とし各因子との関連を調べた.総出血量は0〜2,275 mL,中央値230 mL.輸血実施9例.総出血量により出血少量(1,000 mL未満)群50例,出血多量群15例とに分けた.また初診した診療科により産婦人科を初診(OG)群53例,他科を初診(N)群12例とに分けた.総出血量の中央値はOG群で170 mL, N群で1,115 mLであり,N群の方が有意に多かった.出血多量のリスク因子として,単変量解析ではN,救急車搬送あり,外国人が有意で(オッズ比13, 6.4, 5.7),多変量解析ではNのみが有意であった(オッズ比15).また初診医の妊娠見落としを6例で認めた(OG群,N群でそれぞれ3例ずつ).うち5例が一時帰宅指示を受けており,そのうち1例は出血多量(1,270 mL)であった.他科を初診した症例の臨床的特性は無月経の自覚がなく妊娠を見落としやすい上に出血多量例が多いことであることが示された.女性の急性腹症患者においては尿妊娠反応検査のルーチン化も含め異所性妊娠を見逃さない対策が講じられるべきである.

Key words:emergency medicine, maternal death, pregnancy test, diagnosis, medical malpractice

関東連合産科婦人科学会誌, 48(4) 389-397, 2011


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