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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題2】
鉗子分娩後の羊水塞栓に対し,両側内腸骨動脈塞栓を施行し生還し得た1例


西田 晴香, 根井 朝美, 小島 聡子, 板橋 香奈, 袖本 武男, 香川 秀之
関東労災病院産婦人科


【緒言】羊水塞栓症は胎児成分が母体血中に流入して呼吸不全・循環不全・DICを急激に発症し,61〜86%が母体死亡に至るきわめて重篤な疾患である.今回我々は鉗子分娩後に子宮出血が持続しショック状態となった症例に対し,両側内腸骨動脈塞栓術を施行し救命し得た1例を経験したので報告する.【症例】40歳,初産.既往歴なし.妊娠41週1日に予定日超過のためミニメトロ・オキシトシンで分娩誘発した.分娩第2期に胎児機能不全を認めたため,クリステレル併用し鉗子分娩とした.新生児所見:体重3628g,男児,Apgar score 1分後7点,5分後8点.分娩20分後より子宮出血があり,子宮収縮不良であったため弛緩出血と判断し,双合圧迫・補液を開始した.出血約1300mlでショック状態となり,輸血を開始したが子宮出血が続き,子宮動脈塞栓術を行う方針とした.アンギオ室入室までの出血量は4700ml,意識レベルが低下したため人工呼吸管理とした.発症後4時間で両側内腸骨動脈塞栓術を終え,ICU管理とした.総出血量は6000ml,総輸血量はMAP26単位,FFP20単位,Plt50単位.その後再出血は認めず,呼吸状態も回復して産褥2日目に抜管,14日目に退院された.【考察】ショック状態となるまでの経過が早かったため,羊水塞栓を疑い,産褥2日目にSTNを測定したところ,51U/ml(基準値45U/ml以下)と多量輸血後であるにも関わらず高値であった.分娩直後に羊水塞栓が起こってDICとなり止血困難になったものと考えられた.多量出血に対しては,羊水塞栓も念頭において呼吸管理を含めた適切な処置を行うことが重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 288-288, 2012


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