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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題6】
膀胱子宮窩腹膜妊娠の1症例


宮内 安澄1, 村山 真治1, 山田 満稔1, 古谷 正敬1, 有馬 宏和1, 伊藤 嘉祐子1, 浅田 弘法1, 青木 大輔1, 吉村 𣳾典1, 三上 修治2, 向井 萬起男2
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室1, 同病理診断部2


【緒言】自然妊娠での腹腔妊娠は異所性妊娠全体の1.4%と稀である.我々は腹腔鏡下に診断,治療し得た腹膜妊娠の1例を経験したため報告する.
【症例】36歳女性,1経妊1経産.最終月経より5週3日,下腹部痛を主訴に救急外来を受診した.血圧92/52mmHg,脈拍78回/分,腹部触診にて下腹部に軽度の圧痛および筋性防御あり,反跳痛なし.内診にて性器出血はなく,子宮に圧痛あり,両側付属器は軟.尿中hCG定性反応は陽性も経腟超音波断層法で子宮内に胎嚢を認めず,右付属器に19mm大の嚢胞像および腹腔内液体貯留を認めた.Hb14.1g/dlかつバイタルは安定していたため,入院のうえ経過観察とした.翌日,血中hCGは2046IU/L,腹腔内液体貯留は増量し,Hb8.9g/dlと低下した.異所性妊娠もしくは卵巣出血による腹腔内出血を疑い,診断および治療目的で腹腔鏡手術を行った.右卵巣に黄体嚢胞およびブルーベリー斑を認めたが出血はなく,右卵管,左付属器および子宮は正常であった.膀胱子宮窩腹膜に活動性出血を伴う3cm大の暗赤色腫瘤を認めたため,腫瘤を腹膜ごと切除した.腫瘤内に肉眼的に絨毛を確認し,他部位に妊娠を示唆する所見はなく,膀胱子宮窩腹膜妊娠と診断し手術を終了した.術中腹腔内出血910mlを吸引し,自己血回収血輸血を行った.術後1日目,血中hCG1384IU/Lと低下,経過良好で退院となった.術後25日目,血中hCGは陰転化した.病理組織検査では絨毛および腹膜に侵入する脱落膜を認めた.
【結語】腹膜妊娠は術前診断が困難な場合が多い.腹腔鏡手術は腹腔内出血を伴う急性腹症の診断および治療に有用である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 301-301, 2012


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