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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題9】
感染性流産に至った結核合併妊娠の一例


野村 由紀子, 丸山 大介, 幸本 康雄, 吉野 佳子, 神保 正利
東京都保健医療公社荏原病院産婦人科


 今回我々は結核菌の下向性感染から流産に至った症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は30歳2回経産.妊娠の診断にて近医産婦人科より妊娠9週3日に当院紹介初診.妊娠判明の3か月前に右肺炎,胸膜炎にて他院内科へ入院歴があり,マイコプラズマ肺炎の診断で抗生剤内服治療を行っていた.妊娠13週0日に性器出血及び39度前後の発熱を訴え受診.子宮口から中等量の血性分泌と血液検査でCRP 4.5mg/dlと炎症反応を認め,感染を伴う切迫流産と診断した.通院治療では改善せず発熱と性器出血は持続し,妊娠15週2日に入院となった.呼吸苦の訴えがあり入院時に血液ガス検査を施行したところ,PaO2 51.0mmHgと低酸素血症であった.胸部単純撮影・CTでは両肺にびまん性に分布する粟粒大粒状影,胃液から結核菌PCR陽性,子宮血性分泌からガフキー2号を認め,粟粒結核および下行性感染による切迫流産と診断した.副作用と胎児への影響等を説明し同意の上で,妊娠15週4日より抗結核剤3剤併用療法を開始し,投与3日目には解熱したが,子宮内から水様の血性分泌は持続.経腹超音波にて次第に羊水過少となり,妊娠18週3日に陣痛発来し自然流産に至った.流産時出血は300mlであり,その後性器出血は減少したが,流産前からの長期間の出血により貧血が進行していたため,流産翌日にHb 5.7g/dlと重症貧血となった.輸血を施行し改善の上で流産後5日目に退院し,現在も内科通院管理中である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 308-308, 2012


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