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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題10】
自然経過にて妊娠,出産に至った先天性リポイド副腎過形成症の一例


磯部 まり子1, 市川 義一1, 池ノ上 学1, 山田 卓博1, 根本 泰子1, 服部 政博1, 住友 直文2, 西澤 和倫2, 長谷川 奉延3
静岡赤十字病院産婦人科1, 静岡赤十字病院小児科2, 慶應義塾大学小児科3


 先天性副腎過形成症は,ステロイドホルモン合成酵素の欠損,または,コレステロールの輸送蛋白の異常によっておこるACTH過剰分泌の結果,副腎皮質過形成となる疾患である.先天性リポイド副腎過形成症(lipoid Congenital adrenal hyperplasia;CAH)は,21-水酸化酵素欠損症に次いで日本人に多く,すべてのステロイド分泌不全が生じ,最も重症型であるとされている.本疾患ではコレステロールをミトコンドリア内に輸送する蛋白(Steroidogenic Acute Regulatory Protein;StAR)の異常が認められ,グルココルチコイド,ミネラルコルチコイドの分泌低下により,生後早期から重篤な副腎不全症状を呈し,性腺でのステロイド合成も同時に障害される.しかし,女性ホルモンの分泌にはStAR非依存性の回路も存在し,生殖補助医療のもと,妊娠,出産した例が報告されている.今回,我々は,本疾患の非古典型(遅発型)患者において,自然経過にて妊娠,出産に至った症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.【症例】27歳.0回経妊0回経産.4歳,低身長にて精査.6歳,ACTH不応症の診断でフルドロコルチゾン酢酸エステル0.05mg分2,ヒドロコルチゾン12mg分3内服開始.13歳,遺伝子検査にて本疾患と診断.14歳,月経初来(周期40日).27歳,自然妊娠のため当院当科初診(妊娠6週相当).女性ホルモン分泌不全は認めず,ホルモン補充せず経過観察.妊娠9週から13週,絨毛膜下血腫を認め,安静にて加療.妊娠28週,切迫早産の診断で塩酸リトドリン内服開始.以後順調に経過し,妊娠37週5日,貴重児かつ本人希望のため,ステロイドカバーの上,選択的帝王切開術施行.2530g,男児.ApgarScore8/9点.経過良好のため,術後9日目,ステロイド常用量に減量し,翌日,軽快退院となった.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 311-311, 2012


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