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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題10】
糖原病1型合併妊娠の一例


村山 真治, 伊藤 嘉佑子, 松本 直, 峰岸 一宏, 宮越 敬, 田中 守, 青木 大輔, 吉村 𣳾典
慶應義塾大学産婦人科


【緒言】糖原病はグリコーゲン代謝系の先天性酵素欠損を病因とする疾患であり,肝型である1型はglucose-6-phosphataseの欠損に起因し低血糖症状や腎障害,肝腫瘍を呈する.糖原病合併妊娠では低血糖症状が増悪しうるため,慎重な周産期管理が必要である.今回我々は糖原病合併妊娠の一例を経験したので報告する.【症例】34歳,0経妊0経産.4歳時に腹部膨満および歩行障害を認めた.低血糖発作,蛋白尿,高脂血症,肝腫大などの所見から糖原病1型と診断され,近医にて経過観察されていた.今回妊娠7週時の持続血糖測定にて,就寝中の低血糖が判明し,補食および就前のコーンスターチ(100g)を含めた食事療法を開始した.その後低血糖症状なく経過良好であったが,妊娠36週4日,加重型妊娠高血圧腎症を呈し,臨床症状の増悪および分娩前後の代謝性アシドーシス回避のための慎重な血糖管理の必要性から,選択的帝王切開術に至った.児は男児(2460g,Apgar score:8/8点(1/5分値))であり,生後低血糖は認めなかった.分娩前後,禁飲食中の低血糖発作予防として10%ブドウ糖を含有した補液管理を行なった.産後は妊娠中と同様の食事管理を行ない,低血糖症状を認めることなく良好な転帰を辿った.尚,周術期における定期的な血液ガス分析では,代謝性アシドーシスを示す所見は認められなかった.【結語】妊娠初期より積極的な医療介入を行い,良好な周産期予後が得られた糖原病合併妊娠を経験した.糖原病合併妊娠では,疾患の病態をよく把握したうえでの周産期管理が重要であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 311-311, 2012


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