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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題12】
Massive ovarian edema様の卵巣腫大を保存的に経過観察した2例


司馬 正浩1, 藤井 和之2, 林 崇2, 土井 裕美2, 堀 慎一2, 末永 昭彦1, 中川 俊介1, 竹下 茂樹1, 梁 栄治1, 篠塚 憲男2, 綾部 琢哉1, 瀬戸 裕2
帝京大学産婦人科1, 瀬戸病院産婦人科2


【緒言】Massive ovarian edema(以下MOE)は,非腫瘍性に卵巣が腫大する病態で,内分泌異常との関連も示唆されているが,病態生理など不明な点が多い.今回,我々は保存的に経過観察したMOE様の卵巣腫大の2症例を経験したので報告する.
【症例1】26歳未経妊,月経19日目に下腹痛を主訴に初診.超音波検査上両側卵巣は長径10cm以上で間質が浮腫状に腫大,辺縁に直径2〜3cm大の嚢胞が散在していた.卵巣の血流は保たれていた.MRI検査でも同様で,悪性腫瘍を示唆する所見は認めなかった.血液検査上,甲状腺機能低下はなく,テストステロン(T)16.2 ng/ml,エストラジオール(E)1,380 pg/ml,CA125 131 U/ml,hCGβサブユニット0.1 ng/ml以下であった.両側性のMOEを考え保存的に経過観察,次回月経後にはT,Eはほぼ正常化し,CA125も漸減.卵巣の容積は月経22日目には初診時の約10%まで縮小した.
【症例2】31歳未経妊.両側卵巣「腫瘍」手術目的で紹介来院.最終月経から2か月以上経過するも,尿中hCG定性検査は陰性.顔貌は浮腫様で頭髪は少な目な印象,しゃべり方もゆっくりであった.超音波検査上,両側卵巣は長径5cm以上に腫大し,2〜3cm大の嚢胞を複数個ずつ認めた.血液検査上,TSH 1,161 μIU/ml,FT4 0.1 ng/dl,PRL 177.5 ng/ml.レボチロキシンナトリウムの内服が開始された.卵巣の腫大は甲状腺機能低下に伴う浮腫性変化と考え,保存的に経過観察した.内服開始後約2か月で,卵巣は両側ともほぼ正常大になり月経も整順化した.
【考察】卵巣の間質が肥厚して嚢胞が確認できるときは,腫瘍ではなく浮腫と考えて経過観察する選択肢もあると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 316-316, 2012


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