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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題12】
手術を契機に発見された回腸子宮内膜症の一例


厚木 右介, 大和田 倫孝, 小林 真実, 若佐谷 敦, 島田 和彦, 山田 哲夫, 佐藤 郁夫
国際医療福祉大学病院産婦人科


【はじめに】子宮内膜症は,子宮以外の組織・臓器に子宮内膜組織が迷入し,増殖する疾患であり,主に卵巣,骨盤腹膜に認められる.腸管子宮内膜症も時おり経験するが,小腸は稀である.今回われわれは,手術中に偶然に発見された回腸子宮内膜症の1例を経験したので報告する.【症例】年齢は48歳で,2経妊2経産(正常経腟分娩)である.20歳時に卵巣内膜症性嚢胞に対して嚢胞摘出術の既往があり,46歳より両側卵巣内膜症性嚢胞の再発が認められていた.また,元来便秘症が続いており,下剤を常時内服していた.高度の月経困難症に対して,NSAIDsおよびEP剤による保存療法が実施されていたが,嚢胞は徐々に増大し,さらに子宮腺筋症の発生も疑われた.血液検査では,CA125が91 U/mlと軽度高値であった.コントロール困難な月経困難症,両側卵巣内膜症性嚢胞のために,2011年7月に子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行した.術中,回腸が周囲の腸管および付属器と高度に癒着し,さらに強度の狭窄が認められたため,回腸切除を追加した.術後の経過は良好であり術後7日で退院し,その後は便秘の改善が認められた.なお,病理結果は卵巣内膜症性嚢胞および回腸子宮内膜症であり,異所性内膜症の所見は回腸筋層内にとどまり,粘膜面には露出していなかった.【まとめ】腸管子宮内膜症では,腸管を巻き込んだ高度な腹腔内癒着を呈する場合が多く,術中に手術困難となることがある.子宮内膜症の手術症例で便秘,腹痛などの消化器症状を併発している場合には,稀ではあるが,腸管子宮内膜症も考慮して手術に臨むことが勧められる.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 317-317, 2012


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