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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題13】
診断に苦慮した腟小細胞癌の1例


矢田 昌太郎, 太田 剛志, 村瀬 佳子, 池本 裕子, 菅 直子, 今井 幸, 阿部 弥生, 長野 宏史, 荻島 大貴
順天堂大学医学部附属練馬病院産婦人科


【諸言】腟癌は,婦人科悪性腫瘍の1〜2%を占める稀な疾患である.今回子宮頸部細胞診より悪性腫瘍を疑ったが円錐切除による病理診断は軽度異形成で,半年後に腟内を占拠する腫瘍が出現し,その後の検査で腟癌と診断した症例を経験したので報告する.
【症例】64歳,4経妊3経産.不正性器出血を主訴に近医受診し,子宮頸部細胞診異常のため,当院紹介初診となった.初診時の子宮頚部細胞診classIV,狙い組織診では軽度異形成で乖離を認めたため,診断目的に円錐切除術を行った.病理組織学診断は軽度異形成であったため,外来経過観察とした.円錐切除術より2ヶ月後腟内に直径10cm大の血腫様の腫瘤を認めた.腫瘍生検では小細胞癌,PET-CTで肺,骨盤リンパ節転移を認め腟癌StageIVb期の診断となった.腫瘍マーカーNSEは28ng/mlであった.CPT-11+CDDP療法を開始した.6コース目施行時に,原発巣はほぼ消失したが,第3腰椎への転移を疑い,腰椎への放射線外照射3Gy×10回を行った.11ヵ月後に直径4cm大に原発巣が再発したため,原発巣への放射線外照射3Gy×10回を行った.13ヶ月後には外見上腫瘍は確認できず,腫瘍マーカー,細胞診ともに陰性であったが,現在直径4cm大に原発巣の再々発を認め,UFTの内服を開始している.
【考察】円錐切除術後に急速に増大した腟壁原発小細胞癌の一例を経験した.本症例のように,子宮頸部細胞診と組織診断に乖離を認める場合は,診断的円錐切除術を行うものの,腟癌も鑑別診断の一つとして,腟壁や外陰の念入りな視触診や組織診を考慮する必要があると考えた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 321-321, 2012


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