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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題14】
肺良性転移性平滑筋腫の一例


池田 禎智, 中村 和人, 青木 宏, 村田 知美, 木暮 圭子, 中尾 光資郎, 峯岸 敬
群馬大学医学部附属病院産婦人科


【緒言】良性転移性平滑筋腫(BML)は病理学的に良性とされる子宮平滑筋腫が遠隔転移を来す稀な疾患である.我々は子宮筋腫核出術後に肺への転移を来したBML症例を経験したので報告する.【症例】35歳,1経妊1経産.28歳時に子宮筋腫核出術の既往あり.喫煙歴なし.検診での胸部X線写真にて両側肺野に多発結節性陰影が認められ近医を受診.胸部CTにて両側の全肺葉に多発する境界明瞭な円形結節性陰影あり.縦隔および肺門部リンパ節には明らかな腫大なし.当院呼吸器内科に紹介され後方視的に胸部X線写真を見直したところ,2年前より多発結節性陰影は存在し緩徐な増悪傾向が認められた.FDG-PETでは結節性陰影への異常集積は認めず,頭部MRIおよび上部消化管内視鏡検査でも悪性所見なし.診断確定のため胸腔鏡下右肺部分切除術を施行し,病理組織検査にて良性転移性平滑筋腫の診断に至った.その後,ホルモン療法目的にて当科紹介.経腟超音波所見では子宮体部に小筋腫核を認めた以外に子宮頚部や付属器に顕著な異常なし.胸腹部CTにて筋腫の脈管内進展を疑う所見はみられず.胸腔鏡下切除標本の免疫染色ではエストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体が共に陽性であった.病変の退縮を図るべくGnRHアナログによる加療を開始した.【考察】BMLは肺への転移が一般的であり無症候性で偶発的に発見される例が多い.主に性成熟期女性にみられ,ホルモン依存性に増殖する.進行はその多くが緩徐であり治療としては外科的切除のほかホルモン療法などが行われるが,経過が長期にわたる可能性が高く副作用や患者のQOLを十分に考慮して加療を検討する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 324-324, 2012


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