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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題15】
非ステロイド抗炎症薬貼付剤に起因すると考えられた胎児動脈管早期収縮症の1例


佐藤 雅和, 山田 学, 松本 順子, 渡邊 理子, 中川 潤子, 木戸 道子, 笠井 靖代, 宮内 彰人, 安藤 一道, 石井 康夫, 杉本 充弘
日本赤十字社医療センター産婦人科


 胎児動脈管早期収縮症(PCDA)は,右心負荷の急激な上昇で右心不全をきたし,胎児水腫や遷延性肺高血圧症(PPHN)の原因になると指摘されている.一方,早期診断・娩出により良好な予後が期待できる.PCDAの原因として母体への妊娠後期の非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の投与が知られている.今回NSAIDs貼付剤に起因すると考えられるPCDAの1例を報告する.母体は30歳,1経妊0経産(1自然流産).妊娠初期から定期健診を受けていた.妊娠35週6日にかかりつけ医に胎児の心形態異常を指摘された.妊娠36週0日に小児医療センターを受診し,動脈管早期収縮,心不全と診断され,妊娠36週1日当院紹介受診となった.胎児心エコーでは,動脈管弓が不鮮明であり,右房・右室の拡大,三尖弁逆流(3.6m/s)および胸水が認められた.推定右室圧は50mmHgと上昇していた.胸水の貯留から右心不全と診断され,早期娩出の方針となった.妊娠36週2日より3日間分娩誘発が行われたが,分娩に至らなかった.経過中,皮下浮腫が出現したため右心不全の悪化と判断され,妊娠36週6日帝王切開術が行われた.男児,3400g, Apgar 8/9, UApH 7.3.出生直後,三尖弁逆流(3.9m/s),右室圧60mmHgと右心負荷所見は改善されずPPHNと診断された.酸素投与のみで呼吸状態は安定し,日齢2日に酸素投与は中止された.日齢4日に施行した心エコーでは肺高血圧所見も生理的範囲であり,日齢9日に退院となった.祖母に処方されていたNSAIDs貼付剤を妊娠35週に妊婦自身の腰痛に対して1日1枚,7日間貼付していた経緯があり,これが原因のPCDAと考えられた.NSAIDs内服剤だけではなく貼付剤に関しても,妊娠後期の使用に関して注意が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 329-329, 2012


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