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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題16】
未受診妊婦から出生した先天梅毒の一例


櫻井 信行, 篠崎 悠, 福庭 一人
富士重工業健康保険組合総合太田病院産婦人科


[目的]梅毒はスピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)により生じる性感染症である.梅毒は,現在日本では通常妊婦健診の健診項目に含まれており,感染していても妊娠中に診断され治療されることが殆どであり,分娩時に未治療の梅毒がみつかることは極めて稀である.今回我々は,未受診妊婦がいわゆる飛び込み分娩を行った際に母体の梅毒感染が判明し,出生した新生児は先天梅毒であった患者の治療をする経験を得たので報告する.[症例]19才,未経妊,未婚.妊娠には気づいていたが健診は一度も受診していなかった.前期破水にて当院を初診,申告の最終月経によれば妊娠32週だが推定体重は2900gあり,正確な妊娠週数は不明であった.皮疹やリンパ節腫大などの梅毒感染を疑う身体所見は認めなかったが,入院後母体のTP-Ab陽性(index 28.6)が判明,同日2855gの男児を経腟分娩した.新生児には肝腫大および全身皮膚に水疱を伴う網状の皮疹が見られ,RPR陽性,FTA-ABS IgM抗体が陽性であることより先天梅毒と診断された.追加した母体の梅毒検査はRPR陽性,FTA-ABS IgG陽性,FTA-ABS定量320倍,RPR51.5RU(高値のため希釈測定),TP抗体6052U/ml,無症候性梅毒の所見であった.新生児はNICUにてアンピシリンの投与を行った.母体は分娩後2ヶ月間アモキシシリン内服を行い,分娩より3ヶ月後,TP抗体は3197U/mlで高値であったが,RPRは6.6RUまで低下し,治癒と判断した.[考察]現代では先天梅毒を見ることは極めて稀となっている.本症例のような未受診妊婦の分娩は感染症の頻度も高く,リスクが高いといえる.本症例から,妊婦健診の重要性および飛び込み分娩の危険性を再認識した.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 330-330, 2012


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