関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題16】
胎児腹壁破裂が疑われ,出生後に破裂性臍帯ヘルニアと診断された一例


和田 真沙美, 中島 義之, 田代 英史, 千葉 純子, 草西 多香子, 諸岡 雅子, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科・婦人科


 臍帯ヘルニアの発生率は出生数約6,000に対し一人の割合と比較的稀な疾患で,中でも破裂性臍帯ヘルニアは腹壁破裂との鑑別が困難な場合が多い.今回,妊娠中に胎児腹壁破裂が疑われ,出生後に破裂性臍帯ヘルニアと診断された一例を経験したので報告する.
 症例は17歳0回経妊0回経産婦.妊娠20週に胎児腹壁破裂が疑われ,当院紹介受診となった.初診時の超音波検査において,胎児腹壁前方に3.2×1.8cmの塊を認め,臍帯起始部の右上部から腸管のみの脱出が疑われた.羊水量は正常で,胎児発育にも異常は認めず,他の大奇形も認めなかった.妊娠29週頃より胎児発育遅延を認め,羊水量の減少を認めた.また,終始骨盤位であり,この頃より,胎児舟状頭蓋が疑われるようになった.妊娠31週6日に規則的な子宮収縮と子宮頸管長短縮を認め,切迫早産の診断で入院し塩酸リトドリン点滴を開始した.入院後,胎児心拍数モニタリングや超音波検査において胎児well-beingは確認されたが,しだいに子宮収縮が増強し,硫酸マグネシウム併用にても,子宮収縮のコントロール困難となり,妊娠34週1日に緊急帝王切開術を施行した.児は骨盤位,1,753g,女児,Apgar score 8点/9点(1分値/5分値),頭囲30.5cmの舟状頭蓋で,他の奇形は認めなかった.日齢0に腸管の脱出に対し緊急手術施行した.術中,ヘルニア門は約2cmで,臍帯内の右側より腸管が脱出しており,正常皮膚は腸管と臍帯の中に認めなかったことから,破裂性臍帯ヘルニア(胎児期破裂型)と診断され,脱出腸管を腹腔内に一期的に還納し,腹壁閉鎖術を施行した.
 このような症例はまれであるが,超音波検査で胎児腹壁破裂を診断する際に鑑別すべき疾患として重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 331-331, 2012


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会