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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題17】
不明熱精査中に発見された卵巣癌の1例


渡部 耕平, 渋谷 裕美, 高木 崇子, 綱脇 智法, 井上 慶子, 西ケ谷 順子, 百村 麻衣, 松本 浩範, 小林 陽一, 岩下 光利
杏林大学産婦人科


【緒言】不明熱とは,有熱期間が3週間以上に及び,38℃以上の発熱が経過中に数回認められ,かつ入院で3日間適切な検査をしても診断の確定しないものと定義される.その原因は感染症,膠原病,腫瘍が代表的であるが,原因疾患は多岐に渡るため,可能性の高い疾患を目標とした検査を行って診断し適切な治療をすることが重要となる.今回,不明熱の原因精査中に発見された卵巣癌の1例を経験したので報告する.【症例】47歳,未経妊未経産.38℃前後の発熱を認めるも,NSAIDs内服で解熱するため放置していた.しかし発熱が6カ月以上続くため当院内科受診.血液検査上Hb8.9g/dlと貧血,CRP6.7と高値である以外は,CH50,C3,抗核抗体が高値であった.Gaシンチで右下腹部に集積を認め,腹部造影CTで20 cm大の骨盤内腫瘤を認めたため卵巣腫瘍を疑われて当科紹介.超音波,MRIで充実性腫瘤を認め,CA125:97.6U/mlと高値であり卵巣癌が疑われたため手術を施行,術後診断は卵巣明細胞腺癌3a期(pT3aNxM0)であった.長期間認められていた発熱は術後3日目にすみやかに解熱した.術後TC療法を6コース施行し腫瘍マーカーは陰転化し現在までに再発,転移は認めず,経過観察中である.【考察】卵巣癌は早期に症状が出現することはほとんどなく偶然発見されることも多いが,本症例のように発熱が初発症状であることはまれである.しかし,不明熱患者を診察する際には悪性腫瘍も念頭に置いた精査を他科と連携して行い,診断後早い段階で治療を開始することが重要であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 333-333, 2012


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