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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題21】
26年間無自覚であった処女膜不全閉鎖の1例


東 裕福1, 高田 眞一1, 椙田 賢司1, 千島 史尚1, 山本 樹生1, 西島 重光2
日本大学医学部附属板橋病院産婦人科1, にしじまクリニック産婦人科2


【諸言】処女膜閉鎖症は尿生殖洞の発達異常によって処女膜が完全に閉鎖した疾患であり,その発生頻度は0.014〜0.024%と報告されている.症状としては月経に伴う下腹痛を特徴とし,月経モリミナなどを呈するため第二次性徴以前に診断されることはまれである.一方で処女膜不全閉鎖の場合,狭小ではあるが腟口より月経血の流出があるため,婦人科検診や性交渉困難などで発見されることが多い.われわれが経験した処女膜不全閉鎖の一例を報告する.【症例】38歳,0経妊0経産婦.初経12歳.婦人科検診を近医で受診した際,腟口が狭小であり,処女膜不全閉鎖の診断で精査加療目的に当院に紹介となった.腟口は外尿道口の約1.5cm尾側にあり,口径は約5mm程度であった.月経周期は28日周期で順.基礎体温も二相性であった.また血清ホルモン値および画像検査においても内性器の異常を認めなかった.患者の挙児希望もあるため,了承を得たうえで腰椎麻酔下に処女膜輪状切開術および処女膜形成術を施行した.手術時間 12分,出血量 1g.術後はSサイズのクスコ式腟鏡が挿入可能になった.現在は外来で経過観察中であるが,再狭窄を認めていない.【考察】処女膜不全閉鎖は婦人科検診などで発見されることがしばしばあるが,疾患としての症状に乏しいため,日常生活において無自覚のまま生活していることが多い.一方で腟口の狭小が高度である場合,性交痛や陰茎挿入困難による不妊の一因にもなりうる.これらを的確に診断・治療することでQOLの向上を確保できるという意味で貴重な症例を経験したので報告した.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 345-345, 2012


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