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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題22】
妊娠38週に急性心筋梗塞を発症し一時心肺停止となりドクターヘリで搬送後母子とも救命出来た一症例


木内 香織1, 庄田 亜紀子1, 久野 達也1, 多田 和美1, 大島 教子1, 戸倉 通彰2, 阿部 七郎2, 高城 夏海3, 井上 晃男2, 小野 一之3, 渡辺 博1, 深澤 一雄1
獨協医科大学医学部産婦人科1, 獨協医科大学医学部心臓血管内科2, 獨協医科大学医学部救命救急センター3


 AMI(acute myocardial infarction:急性心筋梗塞)とは,高脂血症などにより形成された,冠動脈のプラークの破裂とそれに伴う血栓形成により,冠閉塞や高度の冠狭窄をきたす病態である.周産期におけるAMI合併は非常に稀で,発症頻度は1万分娩に0.6〜1人と報告されている.今回我々は妊娠38週にAMIを発症し,ドクターヘリで搬送され,母児ともに救命出来た一例を経験した.症例は43歳,3経妊2経産,妊娠38週2日の妊婦.前医にて定期の妊婦健診を受診し,帰宅途中に胸痛が出現したため前医を再度受診した.心電図上ST上昇を認め,AMIの疑いで当院に搬送準備を進めていた最中に全身の強直性痙攣が出現し心肺停止となった.AEDでVFであり2回除細動を施行し心拍の再開を認めたため,ドクターヘリを要請し当院へ搬送となった.搬送後前壁中隔のAMIの診断に至り,冠動脈造影および経皮的冠動脈インターベンションを施行したところ左前下降枝の#6が完全閉塞しており,バルーン血管形成術を施行し血行が再開した.その後帝王切開術で3084gの女児を娩出した.アプガースコア1分値8点,5分値8点で出生しNICU管理となるも,日齢26日目に退院となった.母親は術後ICU管理となり36病日に退院となった.一般的にST上昇性AMI患者の14%以上が発症後早期に致死性不整脈を併発し死亡するため,より迅速なAEDによる電気的除細動が必要とされている.本症例はVFを発症し心肺停止となったにも関わらず前医の適切な治療により母児ともに救命することが出来た.今後妊婦の高齢化などに伴いAMI合併妊婦は増加する可能性があり,その対応・分娩管理について文献的考察を踏まえ報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 347-347, 2012


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