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【原著】
当院で治療した卵黄嚢腫瘍15症例の検討


宮本 守員, 高野 政志, 後藤 友子, 大久保 和樹, 澁谷 剛志, 松浦 寛子, 曽山 浩明, 秋元 太志, 加藤 雅史, 吉川 智之, 佐々木 直樹, 平田 純子, 笹 秀典, 古谷 健一
防衛医科大学校病院産科婦人科


 悪性胚細胞腫瘍は全悪性卵巣腫瘍の5%であり,卵黄嚢腫瘍(YST)はこの中の20%をしめる.YSTは,他の組織型に比べて化学療法が奏効しやすいものの再発率も高く予後不良因子とされる.今回我々は当院で治療したYST 15症例の治療内容と予後を検討した.年齢の中央値は25歳であり,進行期はI期が8例,III期が6例,IV期が1例であった.12例は妊孕性温存手術を,3例は子宮全摘術+両側付属器切除を含む根治術を施行した.術後補助療法として8例がブレオマイシン,エトポシド,シスプラチン併用療法を,7例が他のレジメンを受けていた.全生存期間(overall survival:OS)は中央値で110(0〜241)か月であった.妊孕性温存術式を施行した12例中11例は月経が再来していた.挙児を希望した6例中5例に生児を得た.再発は5例に認め,再発までの期間は中央値で7(0〜10)か月で,OSは中央値で22(0〜117)か月であった.5例中3例は原病死,1例は担癌生存,もう1例は無病生存している.無病生存の1例は3回の骨盤内播種巣の摘出術を行い50か月間,再発を認めていない.OSの予後不良因子は残存腫瘍1 cm以上(p<0.01)と,再発すること(p<0.01)であった.再発症例の60%が原病死しており,再発時の治療法の開発も重要な課題である.

Key words:Germ Cell Tumors, Ovarian cancer, Yolk sac tumor, Prognostic factor

関東連合産科婦人科学会誌, 49(4) 509-514, 2012


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