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【特集】
分娩時に破裂した卵巣皮様嚢腫の2症例


西舘 野阿, 宮内 彰人, 細川 さつき, 渡邊 理子, 中川 潤子, 山田 学, 木戸 道子, 石井 康夫, 安藤 一道, 杉本 充弘
日本赤十字社医療センター産婦人科


 卵巣皮様嚢腫破裂の頻度は約1%と稀であるが,妊娠・分娩時に多発する傾向がある.今回,分娩時に破裂したと思われる卵巣皮様嚢腫の2例を経験した.症例1は34歳初産婦.妊娠22週に初診し,妊娠26週のMRIでダグラス窩に径9 cm大の卵巣皮様嚢腫を認めていた.妊娠38週で自然分娩し,産後は軽度の腹痛を認めただけであったが,産後8週間目に施行した腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術時に嚢腫の縮小と内溶液流出による軽度の腹膜炎を認めた.症例2は36歳の初産婦.妊娠15週に初診し,卵巣腫大を指摘されなかった.妊娠32週に右下腹痛のために入院したが,自然軽快.妊娠36週3日に前期破水し,翌日に自然分娩した.産後4日目に右季肋部痛が出現し,一旦軽快したが,右下腹部痛が増強したため,産後12日目に緊急腹腔鏡下手術を施行した.術中所見で径3 cm大の破裂した右卵巣皮様嚢腫と広範な腹膜炎による癒着を認めた.妊娠初期に卵巣嚢腫を的確に診断し,ガイドラインに沿って取り扱うことが重要である.また産後の急性腹症の鑑別診断として,分娩時の卵巣嚢腫破裂を念頭に置く必要があると考えられた.

Key words:Acute abdomen, Dermoid cyst, Postpartum period, Obstetric delivery, Rupture

関東連合産科婦人科学会誌, 49(4) 669-674, 2012


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