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【原著】
治療的子宮頸管縫縮術の適応と患者自覚症状とが,縫縮術後妊娠outcomeに及ぼす影響


大沼 えみ1), 青木 茂1), 持丸 綾1), 望月 昭彦1), 倉澤 健太郎1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学附属病院産婦人科2)


 頸管無力症は絨毛羊膜炎と共に早産の主要原因の1つだが,妊娠20週〜24週の発症が多く,児の在胎週数の延長が頸管無力症を管理する上で最重要事項となる.今回,2000年から2011年に当院で施行した治療的子宮頸管縫縮術58例の周産期予後について後方視的に検討を行った.内子宮口開大群38例,胎胞形成群20例に分け在胎日数延長期間を調べたところ内子宮口開大群95日(3〜137),胎胞形成群46日(3〜165)と有意に内子宮口開大群で長かった(p=0.036).また入院の契機を調べたところ妊婦健診が47例,出血,子宮収縮などの自覚症状が11例で81%が妊婦健診を契機に入院となっていた.妊婦健診群と自覚症状群の在胎日数延長期間は妊婦健診群84日(3〜165),自覚症状群18日(3〜128)で有意に妊婦健診群で長かった(p=0.041).一方,児の出生週数は内子宮口開大群37.2週(17.6〜40.1),胎胞形成群32.2週(14.3〜40.9)と内子宮口開大群で長い傾向にあるものの有意差はなかった(p=0.062)が,妊婦健診群では35.9週(14.3〜40.9),自覚症状群では24.6週(17.6〜38.1)と有意に妊婦健診群で良好であった(p=0.017).治療的子宮頸管縫縮術の治療成績には,頸管無力症の進行度以上に自覚症状の有無が大きく影響している可能性がある.

Key words:cervical insufficiency, therapeutic cerclage, perinatal outcomes, subjective symptom, progression degree

関東連合産科婦人科学会誌, 50(1) 13-18, 2013


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