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【症例報告】
骨盤内高度癒着および全前置癒着胎盤が疑われた症例の治療戦略


野坂 舞子, 村越 毅, 田中 啓, 鈴木 貴士, 神農 隆, 松下 充, 成瀬 寛夫, 中山 理, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター周産期科


 全前置癒着胎盤は分娩時大量出血の高リスク因子であり,帝王切開時の出血コントロールが困難な場合は最終的に子宮全摘術を余儀なくされる.しかし子宮全摘が困難な場合の治療方針は明確にされていない.今回我々は,術前に骨盤内高度癒着のため子宮全摘術が困難と予測された全前置癒着胎盤疑い症例を経験したため,治療方針および治療経過について報告する.38歳0経妊0経産,前医での腹腔鏡下卵管切除術施行時に広範囲な腹腔内癒着を認めていた.近医で体外受精胚移植にて妊娠成立し,妊娠23週に前置胎盤および切迫早産管理目的に当院へ紹介となった.超音波断層法およびMRI所見より全前置癒着胎盤が疑われた.既往から骨盤内癒着が高度であり子宮摘出が困難なことが予測され,想定される事態に対し十分な検討とシミュレーションを行なった.妊娠36週1日に選択的帝王切開術施行.胎盤は一部自然剝離したが出血増加のため用手剝離を行なった.骨盤内高度癒着のため迅速な子宮摘出は困難と判断し,術前の準備に従い,内腸骨動脈オクルージョン,内腸骨動脈塞栓およびメトロイリンテルによる子宮腔内バルーンタンポナーデ法を併用し止血した.骨盤内高度癒着および全前置癒着胎盤が疑われた症例に対し,子宮摘出困難であることを想定し,周到な治療戦略を立てることで良好な治療成績を得ることができた.

Key words:balloon tamponade, frozen pelvis, placenta accreta, placenta previa, transcatheter artery embolization

関東連合産科婦人科学会誌, 50(1) 171-175, 2013


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