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【特集】
X染色体に異常をもつ不妊女性に対する生殖医療の問題点について


橋場 剛士, 荒岡 千景, 松澤 由記子, 和地 祐一, 谷垣 伸治, 岩下 光利
杏林大学医学部産科婦人科学教室


 X染色体に異常をもつ3例の不妊女性に対して生殖医療を実施する機会があり,その臨床経過と問題点について報告する.症例1は核型45,X/47,XXXのモザイクTurner症候群.第2次性徴を認めるが,最近は希発月経となった.循環器系の検査では心奇形や大動脈拡張を認めず,妊娠許可条件を満たした.不妊治療前に周産期母体死亡率が2%あり,妊娠高血圧症候群になりやすいことを説明した.自然周期採卵,体外受精,ホルモン補充周期胚移植で妊娠成立し,帝王切開で健常児を分娩した.症例2は核型45,XのTurner症候群.卵巣機能不全,低身長などのTurner兆候を認めた.卵巣予備能の低下があり,自己卵子での不妊治療は困難であることを説明した.循環器系を含めた包括的医学管理を受けておらず,今後は産婦人科が主体となってマネージメントすることにした.症例3は反復流産の検索過程で低頻度モザイクであることが判明した.この低頻度モザイクは加齢性変化と考えられるが,反復流産との関連を示唆する報告もあることを説明した.Turner症候群女性の妊娠許可前に循環器系の評価を行い,妊娠中のリスクについてカウンセリングを実施しなければならない.Turner症候群は成人期以降も包括的医学管理を継続する必要がある.低頻度モザイクはTurner症候群と臨床像が異なるのでカウンセリングを行うときに注意する.

Key words:Turner syndrome, mosaicism, mortality, management, counseling

関東連合産科婦人科学会誌, 50(1) 191-196, 2013


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